野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

2024-01-01から1年間の記事一覧

高松市美術館 開館の音楽

昨日初稿を送った《高松市美術館 開館の音楽》、美術館の牧野さんからのフィードバックを参考に、細かい編集作業を続ける。ワークショップの参加者の方々が鳴らしたサヌカイトが下手に聞こえてしまいそうなところに、色々音を重ねて、そう聞こえないようにし…

高松市美術館/毎日新聞/ピアノ音楽史

高松市美術館の開館の音楽の編集作業が続いている。微妙な調整が続いているが、これ以上の作業は蛇足になりそうなところにきたので、一度、ここで完了として初稿を高松市美術館の牧野さんに送る。美術館の空間やスピーカーなどで聞いて、言葉が聞き取れるか…

開館の音楽/ケンハモの奏法

熊本は桜も終わりかけ。しかし、ここのところ雨が多い。今日も雨が降った。今年も花見はしなかった。 相変わらず、高松市美術館の開館の音楽をやっていて、だいぶ完成には近づいてきてはいる。サヌカイトの音、声、ピアノの音でできている。サヌカイトと声は…

今、この時/パープルリボン作曲賞/サヌカイト

だじゃ研のメンバーを紹介するインタビューが続々と公開になっているが、新倉壮朗さんの回が公開に。 aaasenju.wixsite.com 新倉壮朗くんの映画第2弾ができ、予告編が公開になった。予告編に野村も少し登場している。 www.youtube.com 第2回パープルリボン…

肥後琵琶を学ぶ(3回目)

肥後琵琶のお稽古3回目。琵琶を入手してから1ヶ月経った。前回同様、岩下小太郎さんと後藤昭子さんのお宅へ伺う。5月12日に鹿児島で薩摩琵琶の演奏会があるので、一緒に行かないかとお誘いを受ける。肥後琵琶は今年で350周年なのだが、演奏者が数名しかい…

そして私も音楽になった/たらいまわしにされる/掃除する

小西公大(編)『そして私も音楽になった』(うつつ堂)読了。作曲家の宮内康乃さんも執筆されていて、宮内さんより献本していただいたので、早速読んだ。宮内さんの高知の小学校でのガムラン実践が第8章だが、ウガンダのカリオキ、タイのモーラム、教室で…

日本の作曲2020-2022/ピアノと鉛筆と筒/ピアノとサヌカイト

『日本の作曲2020-2022』(サントリー芸術財団)がpdfで公開になった。野村誠作曲《どすこい!シュトックハウゼン》(2021)も紹介されている。紹介されることは、有難いので感謝。ただ、5人の評者全員がぼくより年少の方がいないので、少し世代が偏っている…

新年度のはじまり

昨日いっぱい働いたので、今日は働かずにのんびりと過ごす。庭の植物たちは、ここのところ加速度的に成長をしている。抜いても抜いても雑草が元気だ。山々は霞んでいる。花粉が多いのか、PM2.5なのか、それともただの春霞なのか。花粉のせいなのか、鼻水がひ…

ミュシャミュシャモシャモシャミュージック/香港の高校生との2回目

本日は、熊本市現代美術館アートラボマーケットで4時間に渡って、『ミュシャミュシャ・モシャモシャ・ミュージック』を開催した。 www.camk.jp 熊本市現代美術館には、ミュージアムショップとカフェが併設されていたのだが、そのカフェは営業をやめてしまい…

サヌカイトと声とピアノ/ミュシャモシャの準備/香港の準備

高松市美術館の開館の音楽の音源を作っている。ワークショップで演奏してもらったサヌカイトの音源を繋ぎ合わせ、そこに、ワークショップで語ってもらった声を重ね、そこにピアノを重ねる。ワークショップのサヌカイトの揺らぐリズムを整えてしまっては、ワ…

ミュシャミュシャモシャモシャ/開館の音楽/ミヨー見まね

3月31日の日曜日は、熊本市現代美術館でワークショップというか、野村誠という広場が出現するのをやりたい。出入り自由なので、好きなときにどうぞ。 www.camk.jp 高松市美術館の開館・閉館の音楽をつくっているが、現在取り組んでいるのは、 おはようござい…

肥後琵琶の多様性とカオス/サヌカイト

琵琶を習い始め、本日が2回目の稽古である。肥後琵琶という熊本に伝承されてきた琵琶がある。 www.nhk.or.jp www.youtube.com お稽古と言っても、肥後琵琶には筑前琵琶などのようには、教えるメソッドもないそうで、岩下小太郎さんからは、まず筑前琵琶を学…

第150回だじゃれ音楽研究会

東京に移動。上野の森美術館でのVOCA展を見る。(熊本で知り合った)しまうちみかさんの作品など鑑賞。 東京藝術大学千住キャンパスで、音まち事務局と打ち合わせ。次年度の『だじゃれ音楽』について。2025年度に『千住の1010人』を開催する計画に向けて、来…

豊永さんとのクリエーション

豊永亮さんとスタジオに入る。1990年、ぼくと豊永さんのデュオにヴァイオリンの澤民樹くん、パーカッションのBob Barrazaを加えてpou-fouを結成し、翌年にはホルンの小林薫さんを加えた。即興をしているうちに、共同作曲になっていった。 www.youtube.com 豊…

Tom Jobimの音楽/サヌカイトとピアノ

Peter Freeman著『The Music of Antonio Carlos Jobim』読了。ブラジルは行ったことがなく、ブラジル音楽にそれほど感化されたわけではないが、ブラジル音楽はあちこちに溢れているので、知らないうちに接することが多い。この本は、ボサノバの祖として知ら…

ミュシャミュシャ・モシャモシャ・ミュージック/オハイエ音楽隊3回目

熊本市現代美術館での3月31日のワークショップ『ミュシャミュシャ・モシャモシャ・ミュージック』の打ち合わせを里村真理さんとする。 現代美術館の以前カフェだったスペースを現在はアートラボマーケットと呼称している。この日のアートラボマーケットは、…

タイの録音/オハイエくまもと

昨年12月のタイでのWonderfruit Festivalでのライブ音源がNick Luscombeから送られてくる。フェスティバルが音源を公開したいとのことで、確認とのことで聴いてみるがとても良い。木や葉っぱの環境音と鍵盤ハーモニカの音、フィールド録音の音とライブの音の…

香港の高校生とのワークショップ/サヌカイトの音

香港のCCCDの企画で、高校生たちとの6回のオンラインワークショップが始まった。今日は初回。学校からではなく、帰宅後に各自が自宅からつないで。CCCDのサンドラと9人の高校生と。 最初に、《鍵盤ハーモニカ・イントロダクション》を実演すると、チャット…

日本作曲年鑑2022/高松市美術館の開館・閉館の音楽

日本現代音楽協会『日本作曲年鑑2022』が届く。ざっと400人近い作曲家の1000曲ほどの新作初演のデータが載っている。ここには、初演の都市名も記載されているので、熊本でどれくらい初演されているのだろう、と思って見てみる。ほとんどが東京なのは当然とし…

ミュシャと音楽/大阪音大の映像教材

熊本県立劇場でのコンサート『田中彩子/有島京リサイタル(ミュシャと音楽)』のチケットを譲り受けたので、聴きに行った。有島京さんのプログラムが、ラヴェル、シマノフスキ、ヤナーチェクという選曲で、とても良いプログラムであり、とても思いの伝わっ…

11年目の『世界のしょうない』/夏休み体験ツアー計画/サヌカイトの音源

『世界のしょうない音楽祭』11年目に向けて、豊中市の小林さん、田仲さん、田中さん、大阪音大の渡邊先生と打ち合わせ。先日行われた今年度の振り返りミーティングで出た様々な意見をもとに、次年度のプログラムをどのように組んだら良いと思うかを、豊中市…

映画『今、この時』/《土俵にあがる15の変奏曲》

二日続けて外出が続いたので、本日は自宅。たまっている家事や事務作業などをこなしているうちに、全然かたづかないのに一日が終わっていく。 新倉壮朗くんを追った甲斐田祐輔監督のドキュメンタリー映画『今、この時』がいよいよ公開になるそうで、推薦文を…

ヘリ・ドノ

里村さんが仕事が休みなので、博多方面にお出かけ。 九州芸文館で開催中のヘリ・ドノ個展を見る。1990年代にポストカードでやりとりをしたことがあるヘリ・ドノは、インドネシアのジョグジャカルタの現代美術家だが、実際に会ったことは(多分)ない。《ワヤ…

田島隆との30年ぶりの共演

熊本のアーケイド街で行われる同時多発ライブイベントStreet Art-plex(以下 Sap)に田島隆くんと出演。タンバリン博士として知られる田島隆さんと出会ったのは、お互いが20代前半だった1990年。ダンサーの山下残くん、トランペットで藤本由紀夫さんのもとで…

トーキョー・シンコペーション/KIACコミュニティプログラム

沼野雄司『トーキョーシンコペーション 音楽表現の現在』(音楽之友社)読了。これは、とても明快で面白い本だった。音楽の話なのだが、その背景にある哲学を炙り出すべく、展覧会の話や映画や文学の話などが出てきて、そこから車線変更するように、現代音楽…

20年ぶりのミーティング/日本の作曲/能楽源流考

今から20年前、ぼくは京都女子大学で専任講師をしていた。講義や演習、卒論指導などをするのは楽しい時間であり思い出で、組織の中での理不尽なことが受け入れ難く、3年で退職し、フリーランスの音楽家に戻った。 その頃に、ぼくの授業に出ていた人が、中学…

肥後琵琶/山内光代/須藤かよ

本日は、肥後琵琶のお稽古の第1回目。先生は、岩下小太郎さん。今日は、琵琶の歴史に関して、小太郎さんに講義していただき、ぼくが色々質問したり、絃の張り方を教えていただいたりした。あとは、楽器の持ち方や奏法などについては、質問すると実演して教…

相撲随筆/数字より内容を振り返りたい

酒井忠正『相撲随筆』(ベースボールマガジン社)読了。初代相撲博物館館長を務めた明治生まれの著者が1954年に出した本で、明治、大正、昭和初期の相撲を同時代として目撃してきた方の感覚を文章を通して味わえたところが、非常に新鮮だった。 確定申告のた…

東日本大震災から13年/般若心経聴き比べ

3月11日。2011年から13年が経つ。あれだけ大きな原発事故が起こったのに、原発はなくなっていない。東日本大震災以降、東日本の原発が稼働しない中、西日本の原発が再稼働してきている。佐賀の玄海原発(糸島と目の鼻の先)や鹿児島の川内原発が再稼働してい…

野村誠の現在地

里村さんが仕事が休みで、お出かけしたり話したり。自分のこれまでを振り返り、今後の方向づけをするために、漠然と感じていることを少しずつ言語化している。まだまだ、なかなか言葉にならないけど、すごく前向きになっているし、やる気になっている。少し…