野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ミュシャミュシャモシャモシャミュージック/香港の高校生との2回目

本日は、熊本市現代美術館アートラボマーケットで4時間に渡って、『ミュシャミュシャ・モシャモシャ・ミュージック』を開催した。

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熊本市現代美術館には、ミュージアムショップとカフェが併設されていたのだが、そのカフェは営業をやめてしまい、元カフェだったスペースを、アートラボマーケットという名称で活用することになり、今年度から里村真理さんが担当をしている。ここは一体、何?

 

この美術館には、展示室もあり、ワークショップルームもあり、図書スペースもあり、キッズルームもあり、ショップもある。そこに生じた空きスペース、アートラボマーケットは、その何でもない新たな実験の場としての可能性を探っている。

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人類学者のジョシュア、ダンサーのワタクミさん、作曲家の稲森さん、プロデューサーの坂口さん、美術家の宮本さんなど、熊本在住の方々と再会/交流できて、そういう出会いの場が色々な人に開かれていること自体に可能性を感じた。ここは、本来カフェだったのだが、カフェという名前のイベントを開催しても良いのだ、と思った。

 

一方、このスペースに人工芝を敷き詰め、楽器をいっぱい持ち込んだところ、楽器の音色に惹かれてか、親子で参加される方が非常に多かったことも印象的。ワークショップは、里村さんとアシスタントの穴瀬さんが応対してくれ、その時々の参加者のノリで、自然発生的な即興セッションがうねり、かなり面白い瞬間が何度も現れる。特に、このスペースは窓が大きく天井も高いため開放的な雰囲気で、ダンサーとともに伸び上がった時に、非常に気持ちよく感じ、この場所は体を動かすことにも向いていると思った。

 

即興セッションで新奏法が色々発見されたが、ブームワッカーの新奏法が面白い。ぼくは、もともとはブームワッカーの音色にあまり魅力を感じていなかったのだが、最近、考えを変えてきて、自分でも購入した。

 

ミュシャの同じ絵を同時に数人で模写するのが面白かった。今回の模写のルールは、ミュシャの絵のうち5本だけ線を選んで模写をしてもらった。だから、同じ絵なのに、人によって違うところに着眼する。そして、その結果、具象の絵画から抽象的な図像ができあがる。その図像を楽譜として解釈する。自分の模写した絵を演奏するよりも、他人が模写した絵を演奏した方が面白い。今回集まった楽譜を使って、それを発展させる次なるワークショップもやりたいな。

 

野村誠をカフェマスターとするカフェやりたいなぁ。来た人と喋り込んだり、時に演奏したり、のんびりしたりする空間。あっという間の4時間半(最後、盛り上がりすぎて、30分延長してしまう)。

 

4時間ワークショップしたのに、22時から香港の高校生とのオンラインワークショップ2回目。高校生たちが、古箏、柳琴、ピアノ、ボーカルなどについて発表してくれた後、ぼくも作曲について発表して、その後、音階の話とかリズムの話とかレクチャーして、オリジナルな音階を作ってもらったり、リズムを作ってもらった。宿題も出した。