野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「ホエールトーン・オペラ」から15年

ヒュー・ナンキヴェルとの「ホエールトーン・オペラ」。今から15年前の2004年に、日本で第1幕、イギリスで第2幕を作り、14年前に日本で第3幕、イギリスで第4幕を作った。あの当時のヒューと野村の共同作曲のノウハウが詰め込まれた48のシーンを、15年…

ヒューとの濃密な2日目

ヒューと野村とボーンマス交響楽団と日本センチュリー交響楽団によるコラボ企画。本日の午前中に、トレーニングという名のもとに、色々な交流が行われて後、午後は野田住宅にて、ワークショップ。これだけ多くの音楽家でワークショップに行くのは、非常に贅…

ヒューと再会

音楽家のヒュー・ナンキヴェルが大阪にやってきた。25年前にイギリスで出会って以来の大親友。 25年前、ぼくはイギリスのヨークに留学した。イギリスの創造的音楽教育に興味があり、子どもたちと共同作曲したくて、イギリスに行った。その時、イギリスで出…

香港から歌が届く

香港のi-dArtのメンバーと、ネット通信で話す。一年半前に、ぼくが香港にいた時に、ハッピーハンサムさんと作った「ハッピーハンサムロックンロール」を、相変わらず続けてくれていて、新たな歌詞を作ったらしく聞かせてくれる。そして、新しい歌も作ったと…

千住の1010人 in 2020年のための新曲を作曲中

「千住の1010人 in 2020年」を来年の5月31日に開催する。そのための新曲を作曲しているわけだが、1010人で野外で演奏した経験は、過去に一度しかなく、2014年の「千住の1010人」での体験が参考になる。 というわけで、2014年に作曲した「千住の1010人」を下…

弦楽四重奏曲「アートサーカス」、「ズーラシア」の音源を聴いて思う

2006年に、弦楽四重奏曲を2曲作曲した。1曲目が「アートサーカス」という曲で、15分近い長い曲。小学生と横浜トリエンナーレ2005を訪ねて、その様子をもとに、子どもたちに、アイディアをスケッチしてもらった。そのスケッチを、子どもたちと音楽家で、ヴ…

野村誠をアーカイブする

里村真理さんと、野村誠アーカイブ・プロジェクトを始動するためのミーティングがあるので、そのための叩き台の資料を作成。野村誠の作曲作品の楽譜のうち、ほとんどが未出版で作曲者に問い合わせないと入手できない。野村誠の作曲作品のほとんどの音源が、…

千住の1010人 in 2020年

来年5月31日に開催する「千住の1010人 in 2020年」に向けて、雨の中、千住の町を4時間ほど歩く。小さな路地も多い。商店街も多い。公園もある。荒川、隅田川と川があり橋がある。10人ほどのメンバーで歩いてみて、狭い路地や商店街では、10人程度でも、…

東大と音楽の未来をつくる

東京大学という大学があり、日本の中では最も研究費が潤沢にあり、様々な研究が行われている研究/教育機関がある。今日から行われている東大駒場祭という学園祭での東京大学新聞の主催でのシンポジウム/コンサートに出演してきて、大変、刺激を受けた。 そ…

Patryk Zakrockiと子どもの即興オーケストラ

明日の東大のシンポジウム/コンサートに向けて、ピアノで練習しているのは、2000年向井山朋子さんのために作曲した「たまごをもって家出する」。自分で弾くつもりなく向井山さんのために作曲したので難しく、なかなかうまく弾けないが、作曲者の自作自演も…

「相撲ノオト」完成、ポーランドツアーに向けて

朝起きて、明後日の東大でのシンポジウム/コンサートに向けて、ピアノの練習(「たまごをもって家出する」)。その後、會田瑞樹さんのためのヴィブラフォン独奏曲「相撲ノオト」の作曲に着手。昨日までに書いていたところを手直しつつ、新たな部分を書き足…

先代広沢虎造はやっぱりすごい

引越の直後で、荷物を整理している。1993年の名古屋市美術館でのpou-fouのコンサートのチラシにも、「先代広沢虎造はすごい」と書いている。これは、1992年のpou-fouのCD「Bird Chase」のブックレットの中に書いた言葉で、「バッハは大好き」から始まって、…

土俵にあがる15の変奏曲

ヴァイオリニストの小川和代さんのために、新曲「土俵にあがる15の変奏曲」を作曲した。これは、高砂部屋の呼出しの邦夫さんが力士の名前を呼びあげる美声「ひがーーーしーーー」とやる声をいろんなスタイルに変奏していく曲。本日は、小川さんと、ピアニス…

「ひらめき」について

11月22日の東大駒場祭での学術シンポジウム×コンサート「音楽に神は必要か」のための準備。ここで言う「神」とは、「ひらめき」のことを指すらしい。 で、色々、考えを整理してみたのだが、 新たな創造をしようとすれば、自分の価値観を超える飛躍が必要。 …

「相撲ノオト」作曲中

「相撲ノオト」作曲中。ヴィブラフォン独奏曲。ヴィブラフォンは、筒がついていて、響く鉄琴。筒の中に電動で響くモーターがついている。ヴィブラフォンのことを思いながら、とりあえず、ピアノを弾いて、うちわで扇いでみる。モーターのスピードが色々変え…

相撲ノオト

昨日は、ポーランドツアーの準備の編曲作業をしていたので、今日は、會田瑞樹ヴィブラフォンリサイタルのための新曲「相撲ノオト」の作曲をする。相撲を題材にした小品集になる予定で、今日は「横綱土俵入り」に基づく新曲を作曲した。主に、大鵬の土俵入り…

ポーランドツアーに向けて

12月のポーランドツアーのための編曲作業。 野村作曲作品より、「相撲聞序曲」(2017)をソプラノサックスとピアノで演奏できるバージョンとして編曲する。続いて、「Casa Mozart, summer 2019」(2019)もアルトサックスとピアノに編曲。最後に、動物の演劇組曲…

Alina Mleczko

本来ならば今日から香港遠征だったが、香港の情勢が不安定なので、国際会議が延期になり、京都で引越の作業が続けられる。 12月のポーランドツアーに向けて、共演するサック奏者のAlina Mleczkoのウェブサイトを見て、ジャズ、クラシック、現代音楽など、様…

ハイドン盆栽世界初演!

アートエリアB1にて、「ハイドン大學」。野村誠作曲の「ハイドン盆栽」第1番ー第6番の6曲を通して、ハイドンの交響曲を解説する試み。レクチャーのレジュメとして、6曲を作曲したので、本日の講座の参加者全員に、6曲の譜面をプレゼント。未出版の新曲ピ…

引越し

京都市内で、引越。 段ボール箱を詰め続けて、引越し屋さんに運んでもらい、その後、新居に移動して段ボール箱を開け続けて、旧居に戻りゴミをまとめて捨て続けて、新居に戻り、深夜まで箱を開けて、少しずつ生活する場所をつくる。 いっぱい捨てると、また…

メシアンの伝記

呉から京都に戻る。帰りの電車で、Peter Hill & Nogel Simeone著「Messiaen」(Yale University Press)を読了。作曲家オリヴィエ・メシアンの伝記。写真や図版の多い本で、メシアンの自筆譜や作曲のメモなども数多く載っている。また、メシアンの日記やノート…

19年越しの呉ライブ

呉に行く。呉こどもNPOセンターYYYの企画で、あいのてさん(尾引浩志+片岡祐介+野村誠)コンサート。今回の公演に至る経緯は、19年前に遡る。19年前の日記はないが、11年前(2008年11月21日)の日記より 広島の呉にて。 ツキイチ即興ナイトの8回目に参加…

ミニマリストとしてのハイドン

引越し作業が続いている。 「ハイドン大學」の準備。ハイドンという作曲家は、かなり通好みの仕掛けをいっぱい散りばめるので、いろいろ解説しどころが山ほどある。ハイドン作曲の「交響曲第28番」の第3楽章と野村作曲の「ハイドン盆栽第2番」で、ミニマリ…

ハイドン盆栽、竹野相撲甚句

鳥取銀河鉄道祭の余韻が続く中、来週の「ハイドン大學」の準備中。レジュメとして作曲した「ハイドン盆栽 第1番」とハイドンの交響曲第28番第1楽章を比較しつつ、アフリカ音楽のヘミオラのリズムを参照しつつの模擬レクチャーを練習してみる。 引越の作業…

音楽に神は必要か

引越の準備中。 来週11月12日の「ハイドン大學」のために作曲した「ハイドン盆栽」第1番ー第6番の6曲を練習。コンサートのために作曲したり、舞台のために作曲したり、テレビ番組のために作曲したり、教材のために作曲したりすることはあった。しかし、レ…

門限ズインタビュー

半年前のインタビューを読み返す。「ゲキジョウ実験!!! 銀河鉄道の夜→」をぼくは、こう語っていた。 基本は、美しい舞台になる、と思ってる。まずね。で、ちょっとおかしな舞台にもなると思う。そして、その美しさというのは、「どうやこれ美しいだろう!」…

作曲は弔い

2008年に結成した「門限ズ」は、見えない凧をあげたり、レクチャーに足つぼしたり、遠足したり、般若心経と即興セッションしたり、演劇と音楽とダンスとマネジメントの混在する遊びを続けてきた。その門限ズが、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を、市民参加音楽…

日常と幻想の境を旅するゲキジョウ実験

ゲキジョウ実験!!!「銀河鉄道の夜→」の3回目、4回目の公演が無事に終了し、全公演が終わる。 ツアー形式で始まり、出演者と観客が日常空間を一緒に旅をするところから始まる。そこにいるツアーガイド達と観客の間に境界線はなく、同じ空間を旅をする。そう…

ゲキジョウ実験!!!「銀河鉄道の夜→」→→→→→

ゲキジョウ実験!!!「銀河鉄道の夜→」の初日、2公演を無事開催。150名ほどの全出演者が勢ぞろいしたのも本番が初めて。ゲネプロの後、本番までの間のお弁当の最中の会話から、さらに舞台美術が増えていったので、本番になって初めて登場したものもある。初日…

猛烈な勢いで、本番に向かっていく前夜

ついに11月になった。鳥取県民を中心とする様々な人々と、クロスジャンルバンド「門限ズ」と、美術家の藤浩志さんが、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を題材に、移動型の越境する「ゲキジョウ実験!!! 銀河鉄道の夜→」の公演も、いよいよ明日、明後日に控えている…