野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

動態展示4日目

ながらの座・座での動態展示の4日目。

 

今日は、プリペアドピアノを発展させるべく、藤本由紀夫作品やら鳩サブレーの缶などを活用して、ピアノのハンマーで鳩サブレー缶を直接演奏するなどを試みる。これは、アップライトピアノでないとできない。面白い。

 

作曲について、いろいろ質問を受けてお答えする時間もあった。《たまごをもって家出する》の自筆譜を見ながら、佐藤信子さんの演奏を聴いたりもした。シュトックハウゼンのレクチャーの話をしたり。

 

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夕方、皆さんが帰られた後、どしゃぶりの雨を見ながら、箏で即興をしながら即興で歌う。まだまだ、違った自分が引き出されてくる日々。夕暮れ時に照明器具を使って光と戯れながら、トイピアノの演奏。演奏もいっぱいしたが、お話をする時間もいっぱいだった。コロナで喋る時間や場が少ない中、こんな環境で過ごせることが有難い。そして、こんなわけわからん企画に来る人は、それぞれ魅力的な人だと思った。

 

5月20日の16時以降、5月21日の13時ー22時は受付中。プリペアドピアノの生演奏も、トイピアノ大正琴、箏、尺八、ケンハモ、オルゴールなどの生演奏も、おしゃべりもあり。お待ちしております。

 

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無人駅を巡る旅/動態展示休日営業

文化経済フォーラム滋賀+びわ湖芸術文化財団と、近江鉄道沿線を巡るアートプロジェクトを計画中で、野村がディレクターになった。今年は、滋賀県の仕事がやたらに多い。本日は、コーディネーターの野田智子さんと永尾美久さんと近江鉄道沿線を巡るリサーチに出かけた。

 

コロナで何ができるだろうと考えた時に、全くもって密閉されていない無人駅という空間に興味を抱いた。近江鉄道には数々の無人駅がある。今日は、その数々の無人駅に行ってみた。そこでケンハモを吹いてみた。周囲を少し歩いてみた。出会った人と少しだけ交流してみた。無人駅は舞台になったり、客席になったりできる野外劇場になる。駅の周囲の風景は借景になる。面白い。同じ無人駅でも、魅力的な劇場である無人駅もあるし、それほど魅力を感じない駅もある。そんな駅の下見をし、貴生川ー八日市間だけでも魅力的な駅や風景が数多くあり、かなり面白いツアーが組めそうな予感。太郎坊宮に参拝の後、みっちり打ち合わせの後、八日市ー貴生川間を近江鉄道に乗車。車内放送の感じや電車のガチャコンというノイズの感じなどを確認。

 

ながらの座・座に戻ると本日休みなのだが、イレギュラーに1組だけ受け入れ、トイピアノを解体したり、松岡正剛の話、オリンピックの聖火リレーの話、様々な話を経由しながら語り合う。本日も濃密。

 

 

 

 

ホエールトーン・オペラ/動態展示3日目

Hugh NankivellとのWhaletone Operaを一昨年、豊中市立文化芸術センターで開催した。山城大督さんが編集したドキュメント映像があがってきた。コロナ前のワークショップの様子、懐かしい。

 

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ながらの座・座での動態展示3日目。開催期間中の唯一の日曜日だったせいか、子どもがいっぱい来た。小学1年生が日本庭園を見た瞬間に、「うわぁー、すごい」と声を発した。これ、伝わるんだなぁ。三世代で訪れた家族。鍵盤を消毒して、プリペアドピアノの鍵盤を演奏してもらう。ヴィバルディの合唱曲の楽譜を見せてもらい、それを玩具ピアノで伴奏したり。子どもたちが、大正琴や箏などの楽器を工夫しながら演奏をしていく。自分たちでルールを作ったりしながら、新しい遊びを作っていくように音楽が生まれてくる。最初に恐る恐る楽器を触っていたのが、徐々にエネルギーが高まっていく。それは、コロナで抑圧されていた何かが噴出してくるような音でもあり、開放感のある音でもあり、しかし、単に真剣に音に集中した営みでもあった。こういう音のやりとりが座・座で湧き上がってくるのもいい。ここは1644年に作られた建物であり、庭であるが、江戸初期であり、2021年である。単に博物館的な空間ではなく、当時の持っていた感覚と現代の感覚が融合するところが面白い。そこに多感な現代の子どもたちが出会うのも面白い。そして、大人が子どもに遠慮して子どもだけの開放の場になるのではなく、大人たちが率先して楽しんでいて、大人と子どもが分け隔てなくセッションを楽しんでいるのも面白い。懐かしい再会もあった。犬のジジのために即興ソングも歌った。トイピアノも解体してみた。

 

明日は休みで、後半は18日から。予約状況は、

 

18日 受付可能時間帯あり

19日 受付〆切

20日 16時以降は予約可

21日 現時点予約なし

 

で、21日の予約が一気に埋まりそうな気配。 ギリギリでも予約受付できますが、満席でお断りするケースも考えられるので、早めのご予約を!

 

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ながらの座・座での動態展示2日目

メルキュール・デザールの連載「ケンハモと現代音楽と私」の2回目が公開に。鍵盤ハーモニカ・オーケストラ「P-ブロッ」の活動について。

 

五線紙のパンセ|ケンハモと現代音楽と私(2)|野村誠 |

 

ながらの座・座での「野村誠の動態展示 in ZaZa」の2日目。朝は四股。その後、ウグイスの鳴き声にケンハモで真似して演奏したり。

 

今日は、ここのピアノにボルトやネジをはさんでプリペアドピアノにする実験。ぼくが今までプリペアドピアノを試みたのは、京大西部講堂のピアノ、京都精華大学のピアノ、京都パフォーミングアーツセンターのピアノ、国際芸術センター青森のピアノ、広島市現代美術館のピアノで、いずれもグランドピアノで、アップライトピアノをプリペアドピアノにするのは初めて。ピアノの弦にフレームドラムを押し付けて演奏することを思いついて後、足の裏を弦に押し付けてミュートしながら演奏することを思いつく。これは、弦の振動を感じるので、面白いマッサージになり得て面白い。

 

掃除をしていたら、譜面台が出てきて、譜面台を庭の木々の間に紛れ込ませてみる。

 

大正琴はかなりロックンロールな楽器だと評判。尺八を気分良く吹きまくるのも楽しい。銅鑼を鳴らしながら庭に出て行き、池に沈めてウォーターゴングを楽しんだり。

 

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創作と交流はつづく

 

 

「野村誠の動態展示」初日

ながらの座・座での「野村誠の動態展示 in ZaZa」が本日よりスタート。

 

昨夜はカエルの鳴き声が印象的だったが、朝は鳥の声。ウグイスの声。そして、保育園の声。畑から「四股1000」に参加。その後、座・座の何十年も調律されていないピアノを掃除しようと、ピアノの周りに手をつける。火鉢をどかす。何か謎の物体があり、オルゴールのようなものが板に取り付けられている。座・座のオーナーの橋本さんに尋ねると、藤本由紀夫さんの作品だが動かなくなったとのこと。サウンドアーティストの藤本さんは、オルゴールを使った作品を数多く作っていて、30年以上前、ぼくが学生だった頃、ぼくは藤本ファンで、藤本さんの展覧会に通いまくった。確かに橋本さん所蔵の藤本作品は、動かないし音も出ない。ネジを巻いても動かないのだ。だから、これを楽器として手動で演奏してみようと、オルゴールを指で弾いて演奏して遊ぶ。

 

ピアノを掃除し、楽器の中が見えるように板を外してみると、珍しいことにピアノのフレームが青。せっかくだから、これを見えるようにしておこう。こんな具合に、少しずつ空間を変えていく。

 

やたらに長い延長コードがあったので、延長コードを使ったドローイングを考える。橋本さんの家で見つけたもので、どんな遊び方ができるか、発掘する感じだ。

 

午後2時に、最初の予約の方が来られて、色々、質問されまくったり、楽器を鳴らしたり、展示の説明をしたり。次の予約の方が来られて、ケンハモとピアノの違いについて尋ねられたりして、結構、ケンハモのデモンストレーションもした。庭の苔の上で演奏もしたし、トイピアノも演奏したし、青森の《根楽》の話などもして、《根楽》をピアノで演奏したりもした。結構、いっぱい話したし、そこそこ演奏もした。演奏が先にあるというよりは、会話が先にあり、そうした会話から演奏に移っていく感じ。帰り際に作曲を委嘱してくださった方もいた。大正琴を久しぶりに演奏した。

 

夕方、犬のジジの散歩をして後、掃除を続ける。掃除をすることと創作は紙一重。ケンハモを吹きながら作曲してみたり、橋本さんの本棚から興味深い本を読んだり。

 

音まち事務局との打ち合わせ。熊倉純子さんとも久しぶりにミーティング。9月に開催の「Asiaだじゃれ音Line音楽祭」に向けて。そして、Solo International Performing Artsに向けて。「千住の1010人 from 2020年」は着々と進行中。この動画を純子さんに絶賛していただき、だじゃ研10年の成果が集約されていると喜んでもらえて嬉しい。コロナで全てのプロジェクトが中止になる中、やれることをやった。10年間色々やってきたから、その素地があって、緊急事態で変更が続いても成立した。

 

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今年は、この先のもっと混沌とした面白さをやれたらいいなぁ。

 

低音デュオの演奏会に向けての夏田さんのインタビュー。作品を聞かずにインタビューを聞いただけでも面白い。演奏会楽しみだ。

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どすこい!シュトックハウゼンのリハーサル/ながらの座・座での準備

自宅の引越の搬出後、オンラインで《どすこい!シュトックハウゼン》のリハーサル。低音デュオ(松平敬+橋本晋哉)のお二人の演奏があまりにも素晴らしく釘付けに。オンラインで音質など不明瞭なところもあったので、録音も送っていただく。何度も聴いてしまう。

 

ながらの座・座の滞在が開始。楽器を色々な場所に配置して、鳴らしながら空間を作っていく。やっているうちに、楽器で顔が作れるのではないか、という気分になり、楽器が顔になっている部屋ができあがる。では、別の部屋は、ケンハモ解体修理工房にしようとか、ここは作曲の部屋にしようと楽譜と鉛筆と机にしたり。2000年に作曲の《たまごをもって家出する》の手書き譜を持ってきたので、これを並べていく。床の間から始まって広々と並べてみると壮観。自分の譜面を展示できるのは嬉しい。廊下はどうしようと、そこにある椅子などを組み合わせて楽譜を作れないかとやっているうちに、椅子は楽器になったり楽譜になったり。とりあえず、初期設定はできたなぁ。

 

橋本敏子さんと語る日々が始まる。カエルの鳴き声を聞きながら就寝。

どすこい!シュトックハウゼンを語る

《どすこい!シュトックハウゼン》に関するインタビュー動画が公開に!シュトックハウゼンに関する素晴らしい著作もある松平敬さんによるインタビュー。

 

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2019年12月にHugh Nankivellが日本に来た時に、置いていった本がRupert Sheldrake著《The Science Delusion》で、これが面白くトイレで読むようにしていたのだが、本日、読了。科学者は本当に科学的なのか?エネルギーが不変であると根拠なく信仰していたりしないか?テレパシーなどを実験して検証したりしている著者が、現在の科学が妄信的である部分に切り込む本。

 

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引越で熊本に移住する。明日が引越の搬出で大掃除と片づけの1日。