野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

田植え/チョー・グゥワン/Senju 2025

PLAY FARMの体験コース会員なのだが、イベントは土日が多いので、ぼくは参加できないでいたが、本日、里村さんと共に田植え体験に参加した。こんなに会員がいるんだ、と驚くほどの参加者で、小学生くらいの子どもがいる親子の参加が圧倒的に多く、100名近くの人が横一列に並んで田植えをしていくのに加われて、楽しい時間だった。裸足で泥につかるのも気持ち良い。ちなみに、田植え後、希望者が3人以上いたら「かけっこ」をする、とのことで、泥の中の「かけっこ」があり、小学生の身軽さに驚く。美術家のしまうちみかさんともお会いできた。

playfarm.net

 

Ng Chor Guanとのオンラインミーティング。10月12日の『キタ!千住の1010人』で発表する1010人による新作の進捗状況など。1010人の人が会場内を動きながら演奏する12分程度の作品。全部で3楽章。音響的にも動き的にも、とても面白い作品になるに違いない。

 

同じく『キタ!千住の1010人』で招聘する作曲家Memet Chairul Slametの新作《Senju 2025》を6重奏への編曲作業を一通り終える。メメットがやろうとしていることの輪郭が、少しつかめてきたので、もう少しくっきりアレンジして、この6重奏を核にして、即興的に大人数の石などが加わってくるような可能性を探ってみよう。

 

aaa-senju.com

狂言/Senju 2025

島原の子ども狂言を指導されている野村万禄さんの公演を見に福岡へ。島原子ども狂言が15年ぶりに新作を上演するが、音楽を頼まれている。来週、島原に行って子どもたちとワークショップをする。

 

福岡市美術館に行くために数えきれないほど大濠公園を訪れているのに、ここに能楽堂があると初めて知った。

 

95歳の野村萬さんも舞台に立たれ演じておられていた。95歳で生きていること自体がすごいと思うが、現役で舞台に立っていることもすごい。39年後、ぼくは生きていて舞台に立っていることができるだろうか。

 

Memet Chairul Slametの《Senju 2025》を編曲中。半分くらい書けた。 

 

キタ!千住の1010人まで100日/納豆づくり

『キタ!千住の1010人』開催まで100日となった。今日は自宅で、Memet Chairul Slametの新曲《Senju 2025》をフルート、ヴァイオリン、コントラバスマリンバ、打楽器、ピアノの6重奏に編曲。30%くらい作業できた。

 

編曲作業の合間に、手作り納豆づくりに取り組む。昨夜から一晩浸水した大豆を、コトコトと3時間ほど煮て、そこに市販の納豆を混ぜて、45℃で24時間発酵させる。明日にはできあがるはず。ここのところ、自宅で作曲の合間に、豆乳ヨーグルト、カッテージチーズをつくり、発芽玄米を炊くのが日常だったが、新メニューにチャレンジ。発酵とか熟成というのは、作品作りに似ているので、精神的にも良い。

 

aaa-senju.com

 

 

Senju 2025/Memorial Rebirth 千住2024 舎人公園/高校生と考える新時代の争点21

梅雨明け後の猛暑の熊本自宅で過ごすのは当然今年初めてで、一年経つと色々忘れている。全く雨が降らないので畑に水やりをしなければいけないが、昨日は蚊に刺されまくった。そう言えば、蚊取り線香があったと思い出し、蚊取り線香を携帯して庭作業をする。昨日は暑さでぐったりしていたのが、今日はこまめに雑草抜きも結構できたし、昼間に雨戸を閉めてエアコンを入れ、夜は窓を開けて風を通すなど、生活のペースを掴めてきた。

 

生活のリズムができてきて、Memet Chairul Slametの《Senju 2025》をフルート、ヴァイオリン、コントラバスマリンバ、打楽器、ピアノの6重奏に編曲を始める。『キタ!千住の1010人』まで残り101日だが、メメットの書いてきた大編成の音楽は、誰でも参加できる1010人で上演できるような譜面ではないので、それをプロのゲスト音楽家だけで演奏できる室内楽にして、ここに即興的に石や打楽器を追加すればいいのでは、と考えている。譜面を読んで作曲者の意図を理解するのに苦労するが、だんだん要領を掴めてくる。今日は、色々掴めてくる日だ。

 

昨年12月の大巻伸嗣さんの音まちでの企画『Memorial Rebirth 千住2024 舎人公園』の記録動画が公開になった。ぼくが出演した夜の部は、7分35秒あたりから。ダンスの白井剛くん、ボイスの山崎阿弥ちゃんと共演したけど、ピアノの位置からは数千人の観衆に隠れて白井くんのダンスや阿弥ちゃんの姿は全く見えなかったので、共演者の姿を初めて見れて嬉しい。この時の寒さ、今の猛暑に分けて欲しい。

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『高校生と考える新時代の争点21』読了。書店でたまたま見つけ、色々な分野の人の話を聞いてみたいと思って買った本。21世紀の2021年度に21人が語る。色々な大人の話を聴き(読み)ながら、これからどう生きていくかをいっぱい考え感じた。表紙には「世界が変わる、考えるのは今だ。」とあるけど、「世界が変わる」ところもいっぱいあるけど、変わって欲しいのに変わらない部分をどう変えていくか、「考えるのは今だ」と言うけど、考えるだけでなく行動していきたい、と思う。触発される本。

sayusha.com

 

1日の終わり、猛暑の中、里村さんがぼくの髪が伸びたのを暑苦しいと思ったようで、突然、散髪してくれる。おかげで少し涼しくなった。

島袋くんのトーク/肥後琵琶弾き 山鹿良之夜咄

メメットの《Senju 2025》をアレンジできないか試行錯誤する。バルトークのヴァイオリン協奏曲(第2番)のスコアを見ながら、レクチャーのために新曲《ひつま節》にするためのスケッチをする。しかし、猛暑でバテて、作業は進まない。

 

暑いけど、イチジクの木が大きくなり過ぎているので、伸びすぎの枝を刈り込む。畑の雑草抜きをするが、蚊に刺されまくる。

 

美術家の島袋道浩くんとの熊本市現代美術館でのトークの記録動画その1が公開になった。主に島袋くんのスペインでの個展の話をしている。当初は、野村と日比野克彦さんのトークの予定だったが、日比野さんのスケジュールが変更になり、急遽島袋くんに登壇いただいた。なのでトークの開催が決まったのが直前だったため当日の来館者数は少なかった。だから、こうしてウェブで公開できて多くの人に聞いてもらえるのはよかったなぁ。

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木村理郎著『肥後琵琶弾き 山鹿良之夜咄』読了。肥後琵琶に取り組み始めて最初に読もうとしたのだが、熊本弁の口語体で書かれているため、言葉に馴染みがないと音がイメージできず、せっかく語り口調で書かれている醍醐味が味わえないと思い、読むのを先送りにした。最近になって読み始めたら、耳が熊本弁に慣れてきたようで、音がイメージできたので、読めた。山鹿さんの若い頃のエピソードを色々知れてよかった。

www.e-hon.ne.jp

あみだくじの数学/音楽と相撲と平安文学

数学科の大学生になった姪とランチ。線形代数の置換と集合論について講義で分からないところの相談にのり、役に立てるのは嬉しい。置換とか互換とか言うと難しそうに聞こえるが、要は「あみだくじ」の話。「あみだくじ」は行列式の定義に必要だけど、後々ガロア理論で、「定規とコンパスだけで角の三等分線を引けないことの証明」にも必要になる。数学の授業で、「あみだくじ」という単元があってもいいのになぁ、と思う。

 

熊本に戻る。暑さでぐったりして、本を手に取る。琴が出てくる古典文学『うつほ物語』をパラパラめくると、琴だけでなく相撲も出てくる。平安時代の音楽や相撲を想像するのは楽しくワクワクする。

www.kadokawa.co.jp

 

第178回だじゃれ音楽研究会ほか、色々打ち合わせ

本日は、一日中『キタ!千住の1010人』に向けて、千住で過ごす。

 

午前中は、音まち事務局(@東京芸大千住キャンパス内)で会議。ディレクターの吉田武司さん、事務局長の長尾聡子さん、岡野恵未子さん、昆野立さんと(後半は篠原美奈さんも。)10月12日の会場の空間構成プラン、今後のスケジュール、海外ゲストの新作の進捗状況などなど、議題はいっぱい。色々決まってきた。

 

午後、足立区立第一中学校吹奏楽部とMemet Chairul Slamet《Senja 2025》や野村誠《キタ!千住の1010人》より《ボロボロボレロ!ワンダフル!》と《ファンファーレ騒動》をリハーサル。

 

夕方は、竹の塚劇団と狂言マイマイ倶楽部の山下芳子先生と打ち合わせ。Anant Narkkongの新作音楽劇(ウサギとカメの後日談)の語りについて。昨年12月にコラボさせていただいた経験もあり、狂言をされているだけあり、「狂」ったことを楽しむ精神をお持ちの方なので、良い打ち合わせになる。

 

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夜は、第178回だじゃれ音楽研究会。Memet Chairul Slametから送られてきた新曲《Senju Rock 2025》をやってみる。シンプルだけどカッコいい名曲。野村の《キタ!千住の1010人》より《混成四股合唱》もやり、四股合唱とのだじゃれだから四部合唱にしたけど、二部合唱の方がハードルが低くて良いという当たり前のことを確認。全10曲を1010秒で演奏するタイム感を味わうべく、後半505秒《ケロリン唱〜フォト・グー・ラファー+笛るマータ〜水分ホキュー+なわとビート〜すっぽんぽリリズム〜混成四股合唱》を無理矢理やってみた。人数も少ないけど、それでも上演した時の雰囲気を少しだけ体感できた。

 

1010人の参加者申し込みが「3分の1」までキタ!

 

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