野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

コントラバスと名付けられた言葉

《一人芝居〈コントラバス〉のためのコントラバス四重奏曲》を作曲中。本日は、9曲目となる《ぼくのことは誰も愛してくれなかった》を書いたり、1〜8曲目の譜面を手直ししたりしてた。そして、このコントラバス公演の情報が公開になった。なんでも、「歌曲」、「現代音楽」、「幼児音楽教育」、「野村誠」という4つのジャンルの作曲家に委嘱したらしい。
 
ことばとこんとらばすそのに
コントラバスと名付けられた言葉ー
 
2025年2月17日(月)
杉並公会堂小ホール
開場18:30 開演19:00
一般4,000円/学生2,000円
 
【プログラム】
なかにしあかね(作曲)/福士りか(短歌) ≪大空のコントラバス≫ 
稲森安太己(作曲)/細溝洋子(短歌) ≪コントラバス
山本学(作曲)/アントン・チェーホフ(原作)≪コントラバスとフルート ある小景≫野村誠(作曲)/パトリック・ジュースキント(原作) 一人芝居≪コントラバス≫のためのコントラバス四重奏曲
 
      ☆全曲委嘱初演
■ 出演者
[コントラバス・一人芝居] 近藤聖也(全作品)
[ソプラノ] 薬師寺典子(稲森作品)
[バリトン・朗読] 松平敬(なかにし作品+山本作品)
[フルート] 丁仁愛(山本作品)
[指揮] 茶木修平(野村作品)
[コントラバス] 瀬戸慎之介・駒井朗・中村杏葉・富田尭(野村作品)
■ スタッフ
[演出・演技指導] 倉品淳子(野村作品)
[照明] 田中稔彦(野村作品)
[メインビジュアル]きむらめぐみ
 

チケットやフライヤーはこちら

 

夜は、長野の中野のソソラホールの2月の公演(コントラバスの1週間後)に向けたオンライン会議もあった。ずっと先だと思っていた2月だが、3ヶ月後だ。

 

以前、近藤聖也さんに作曲した曲はこちら。

RKKのニュース/作曲はつづく

熊本のテレビ局RKKのニュースで、先日のオハイエのリハーサルが放送されたようで、YouTubeにも動画があがっていた。テレビ的な編集されているので、実際はもっと面白いです。

www.youtube.com

 

《一人芝居〈コントラバス〉のためのコントラバス四重奏曲》の作曲。今日は、「恋に落ちてしまった」というシーンの音楽を書いていたのと、冒頭に近い「国立管弦楽団です」という曲に手を入れたりしてた。

 

パープルリボンコンサート/木ノ下裕一『物語の生まれる場所へ』

11月18日、東京でパープルリボンコンサートが開催されて、野村誠作曲の《DVカルタを歌にした》、《DVがなくなる日のためのインテルメッツォ》が演奏されるほか、第1回パープルリボン作曲賞受賞作品などが演奏される。詳細は、こちらhttps://www5e.biglobe.ne.jp/~m-s-c/2024.11-No5-purple%20ribbon%20concert%20page.htm

 

《一人芝居〈コントラバス〉のためのコントラバス四重奏曲》の作曲中。起点が自分と距離があるブラームスなので、色々苦労していたが、ようやくブラームスでありながら野村誠であるように書けそうな気がしてきた。

 

高知県四万十市のホール「しまんとぴあ」の黒田かやさんと打ち合わせ。パトリア日田(大分)→春日市ふれあい文化センター(福岡)と九州のホールで黒田さんと仕事をしたが、四国に移動されたので、次は四国でご一緒できそうで、楽しみ。

 

木ノ下裕一著『物語の生まれる場所へ 歌舞伎の源流を旅する』(淡交社)読了。歌舞伎を現代劇として上演する木ノ下歌舞伎を主宰する木ノ下裕一さんは、かつて京都で隣人であったこともあり、その当時、日々色々なことを語り合った。木ノ下くんは聞き上手でもあるので、色々な話に合わせて話をしてくるが、この本では彼が歌舞伎の舞台になった土地を訪れる旅の記録が、彼の言葉で書かれていて、追体験することで、歌舞伎の演目にもなっている数々の物語の背景に親しめる良書。

www.book.tankosha.co.jp

 

 

オハイエ音楽隊とのリハーサル/熊本交響楽団/問題行動トリオ

オハイエくまもと15周年記念コンサートも1週間後の11月17日となり、本日が劇場入り前の最後のリハーサル。前回は熊本日日新聞の取材があったが、今日はテレビ局(RKK)の取材があった。

 

kumanichi.com

 

ソプラノの赤池優さん、ピアノの藤本史子さんも加わって、フィナーレの《オハイエどこさ》も練習。ソプラノの歌声と音楽隊の声の重なりが予想していたけど、期待以上に良い感じ。

 

《それぞれのオハイエ》の4曲をそれぞれ練習。楽譜に書いていないのに、いいところでウインドチャイムが鳴る。雰囲気に自然に反応して、即興でやっていることを褒める。急に出てきて踊り出して、決めのポーズをとる。こういうのも、雰囲気に自然に反応している。単なる反復する練習じゃなくて、その時その場で感じたままに表現できる隙間があって、よかった。

 

最後には

 

アカペラ → 

      鍵盤 → 

          打楽器&なわとび → 

                    全員(様々なソロ) → 

                               ゲストや会場も

 

という5部構成を5曲続けて演奏した。指揮の仕方や合図などで、ぼくが準備不足のところがいくつかあるので、直前にちゃんと確認しておこう。

 

熊本交響楽団定期演奏会を鎌本県立劇場コンサートホールで鑑賞。来週のオハイエの本番の会場なので、会場の音響や舞台の配置などを確認しながらの鑑賞。

 

ドビュッシー(ビュッセル編):小組曲

バッハ :シャコンヌマリンバソロ用弦楽伴奏版)

ビル・ダグラス:マリンバ協奏曲

ムソルグスキーラヴェル編):展覧会の絵

 

指揮:佐々木新平

マリンバ:ミカ・ストルツマン

 

夜は、里村真理さん、砂連尾理さん、佐久間新さんと年明けの熊本市現代美術館での問題行動トリオの打ち合わせ。楽しいアイディアが色々出る。久しぶりに問題行動マガジンにも投稿したい。

 

mdkdm.com

 

20曲&30分を超える見込み/カワラモノ

《一人芝居〈コントラバス〉のためのコントラバス四重奏曲》の作曲中なので、日々コントラバス中心の日々を送っている。とりあえず、以下の7曲まで書いて、戯曲の3分の1くらいまで進んだ。

 

1 バスのパートですよ(ブラームス交響曲第2番)

2 国立管弦楽団です

3 土台

4 対極的存在

5 4弦E.A.D.G.

6 街の音

7 絶対に弾けっこない(ワルキューレ前奏曲

 

この調子で行くと、20曲超でトータル30分超の楽曲になる見込み。

 

12月8日のアートサイト名古屋城でのパフォーマンスのタイトルを考えるが、なかなか思いつかず、蓑虫山人の本を読んだり、名古屋城の資料を見たり、瓦関係の本を見たりする。里村さんが帰ってきて、一緒に考えるが、なかなか難航。最近、『河原者のススメ』という本を読んだが、カワラモノという言葉を思いつき、タイトルが決まりそう。一晩寝かせよう。

 

 

 

瓦が集合する/滑稽なほどの無茶ぶり

アートサイト名古屋城2024の打ち合わせ。Twelveの野田智子さん、山口麻里菜さん、淡路島アートセンターの青木将幸さんと。12月8日に、名古屋城で瓦を活用したコンサートとワークショップをするので、名古屋城の古瓦を入手することは可能か模索したが、活用できるものはないとのことで、淡路島から瓦を搬入することにした。淡路島アートセンターには、淡路瓦以外に、これまでの交流で手に入れた三州瓦琉球瓦、石州瓦もあり、名古屋城に日本各地の瓦が集結する感じになるのも良い。

 

nagoyajo.art

 

《一人芝居〈コントラバス〉のためのコントラバス四重奏曲》の作曲を進めている。戯曲の中に出てくる弾けっこない譜面の例として、ワーグナーワルキューレ前奏曲ベートーヴェンの田園の第4楽章、ヴェルディリゴレットの第3幕があるのだが、どれも笑えるくらいに弾けるはずないスーパー早弾きで、これがオーケストラの中で鳴っている分には、なんとなくそれなりに聞こえるようにごまかすのだろう。でも、コントラバスだけ抜き出して強調すると、本当にふざけているとしか思えずに、面白すぎる。

 

それにしても、この弾けるはずないベートーヴェンの無茶振りを攻略するための動画とかもあって、本当に報われない努力をコントラバス奏者はやっているので、ぼくの曲の中で日の目を見るようにしたい。

www.youtube.com

小出稚子《博多ラプソディ》by九州交響楽団

 《一人芝居〈コントラバス〉のためのコントラバス四重奏曲》の作曲作業を進めて後、博多へ。柿塚拓真さんが九州交響楽団に移られたので、機会があれば九響の演奏会を聴きたいと思っていたが、本日、小出稚子さんの《博多ラプソディ》の演奏もあり、いいチャンスと思って。自宅での作曲作業も予定のペースで進んでいるので、日帰りで。

 

プログラムは、

 

プッチーニ 4声のミサ曲(1880)

小出稚子 博多ラプソディ(2020)

石井眞木 日本太鼓群とオーケストラのためのモノプリズム(1976)

 

21世紀に書かれた小出さんの音楽は、同時代の音楽として共感できるし、オーケストラの様々な色彩を小出さんらしく効果的に使っていた。初演以来、何度も再演されているらしい。前後に配された2曲は、それぞれ19世紀らしい、20世紀らしいオーケストラサウンドで、21世紀には21世紀に説得力のあるオーケストラ音響があると感じられるので、21世紀の作品が3曲並ぶよりも、このプログラムで聴けて面白い体験だった。小出作品、もっと色々聴きたいなぁ。

 

48年前の世界初演でも演奏していたと思われる林英哲さんは、70代になっても全く衰えをしらないエネルギッシュな和太鼓演奏で、こうした元気な先輩を見ると、身体を上手に使っていけば長く現役でやれるのだと、勇気づけられた。

 

コントラバスの作曲をしているので、コントラバスパートへの注目は多かったけど、石井作品では、頑張って弾いても和太鼓の低音にマスキングされたり、プッチーニでも速いパッセージとかはオケの中で埋もれやすいところもあったので、その辺をコントラバス贔屓で聴いたのも、今ならではの楽しみ。

 

九響の柿塚さんとは熊本では会っていたけど、福岡で会うのは初めて。今月は、2週間後にも福岡に来るので(映画「霧の音」上映会+トーク)、そこでも再会できそう。九州での活動が増えるのはとても嬉しい(九州外での活動が多いので)。

cototoba.com

www.youtube.com

 

アクロス福岡は、NHKの番組『あいのて』の公開収録をやったことがあり、あいのてさんとしてコンサートをやったこともあり、ここに来ると、あいのてのことを色々思い出す。

www.youtube.com