野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

肥後琵琶6回目

肥後琵琶リサーチ6回目。肥後琵琶乃会の岩下小太郎さんと後藤昭子さんとの濃厚な時間。本日は後藤さんのお宅で。

 

鹿児島の薩摩琵琶の方々は、演奏という言葉を使わず弾奏と言われるそうだ。修練であるので、奉納であれば招聘されて弾奏することもあるが、いわゆる公演としての演奏活動は基本的にはされていないらしい。来週鹿児島に薩摩琵琶の弾奏を聴きに行くのだが、それはかなり貴重な機会らしく、東京で演奏活動をされている薩摩琵琶の人とは違う独特な雑味があるらしい。大変楽しみだ。

 

色々お話を聞いているうちに、国東盲僧琵琶の高木清玄さんのことも聞く。お経を読んでいても明るいのだ、とのこと。確かに決して陰気な感じではない。成仏するためには、これくらい明るく読経してもらうのがいいのかもしれない。

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肥後琵琶の山鹿良之さん、日向琵琶の永田法順さん、国東琵琶の高木清玄さんの3人による公演が、かつて熊本県立劇場でもあったそうだ。薩摩琵琶や筑前琵琶は腹から声を出すようだが、盲僧琵琶はお経なので発声の仕方が違う。肥後琵琶は、両方が交配したようなハイブリッドなものと言えるかもしれない。

 

孫文辛亥革命を支援した宮崎滔天は現在の熊本県荒尾市の出身で、浪曲師としても活動した。肥後琵琶の山鹿さんは、滔天の浪曲にも影響を受けていたとのこと。

 

と延々と3時間以上話を続け、その途中に熊本の県民性を教えていただいたり、琵琶の手も教えていただいたり、毎回新たな発見がある。次回は鹿児島に行く。