野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

豊永さんとのクリエーション

豊永亮さんとスタジオに入る。1990年、ぼくと豊永さんのデュオにヴァイオリンの澤民樹くん、パーカッションのBob Barrazaを加えてpou-fouを結成し、翌年にはホルンの小林薫さんを加えた。即興をしているうちに、共同作曲になっていった。

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豊永さんの場合は唯一無二なのは、彼がギターを手にした最初からフリースタイルだったことだ。ロックバンドのコピーをしたこともなく、コードを覚えることもなく、最初から無調であり、最初からノイズであり、最初から前衛なのだ。豊永さんがボサノバをやることも、ロックをやることも、既存曲を演奏することもなく、豊永さんはひたすら豊永亮の音楽をやっている。ぼくは21世紀になってから豊永さんとの共演はなかったが、豊永さんのギターはその後も進化を続けていた。

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昨年秋に豊永さんと再会し、二人で楽曲を作ろうと、時々スタジオに入っている。予定は未定だがライブもしたい。今日もスタジオに入った。前回の即興から豊永さんが切り出してきたモチーフをもとに、曲を練り上げていく。一つのリズムをやり続けることをルールとして、その中でどれだけ差異を出していくことができるか、とやり始めると、無限にできる。反復は反復ではない。色々試しているうちに、今日は方向性の違う2曲が生まれてきた。

 

Gareth Williams(1953-2001)は、豊永さんに紹介していただき、94~95年に何度も遊びに行き、いっぱい話をした。彼の作品もカセットで少しだけ持っているが、若干YouTubeでも聴ける。実験的ロック、フリーインプロのオルタナティブ・ミュージックの方々、Fred Frith(1949-)、Elliott Sharp(1951-)、Heiner Goebbels(1952-)、John Zorn(1953-)、Garethの同世代でいっぱいいて、70−80年代の空気感を想像する。Garethの音楽を聴き、彼と過ごした時間のことを思い出す。

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