野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

映画『今、この時』/《土俵にあがる15の変奏曲》

二日続けて外出が続いたので、本日は自宅。たまっている家事や事務作業などをこなしているうちに、全然かたづかないのに一日が終わっていく。 新倉壮朗くんを追った甲斐田祐輔監督のドキュメンタリー映画『今、この時』がいよいよ公開になるそうで、推薦文を…

ヘリ・ドノ

里村さんが仕事が休みなので、博多方面にお出かけ。 九州芸文館で開催中のヘリ・ドノ個展を見る。1990年代にポストカードでやりとりをしたことがあるヘリ・ドノは、インドネシアのジョグジャカルタの現代美術家だが、実際に会ったことは(多分)ない。《ワヤ…

田島隆との30年ぶりの共演

熊本のアーケイド街で行われる同時多発ライブイベントStreet Art-plex(以下 Sap)に田島隆くんと出演。タンバリン博士として知られる田島隆さんと出会ったのは、お互いが20代前半だった1990年。ダンサーの山下残くん、トランペットで藤本由紀夫さんのもとで…

トーキョー・シンコペーション/KIACコミュニティプログラム

沼野雄司『トーキョーシンコペーション 音楽表現の現在』(音楽之友社)読了。これは、とても明快で面白い本だった。音楽の話なのだが、その背景にある哲学を炙り出すべく、展覧会の話や映画や文学の話などが出てきて、そこから車線変更するように、現代音楽…

20年ぶりのミーティング/日本の作曲/能楽源流考

今から20年前、ぼくは京都女子大学で専任講師をしていた。講義や演習、卒論指導などをするのは楽しい時間であり思い出で、組織の中での理不尽なことが受け入れ難く、3年で退職し、フリーランスの音楽家に戻った。 その頃に、ぼくの授業に出ていた人が、中学…

肥後琵琶/山内光代/須藤かよ

本日は、肥後琵琶のお稽古の第1回目。先生は、岩下小太郎さん。今日は、琵琶の歴史に関して、小太郎さんに講義していただき、ぼくが色々質問したり、絃の張り方を教えていただいたりした。あとは、楽器の持ち方や奏法などについては、質問すると実演して教…

相撲随筆/数字より内容を振り返りたい

酒井忠正『相撲随筆』(ベースボールマガジン社)読了。初代相撲博物館館長を務めた明治生まれの著者が1954年に出した本で、明治、大正、昭和初期の相撲を同時代として目撃してきた方の感覚を文章を通して味わえたところが、非常に新鮮だった。 確定申告のた…

東日本大震災から13年/般若心経聴き比べ

3月11日。2011年から13年が経つ。あれだけ大きな原発事故が起こったのに、原発はなくなっていない。東日本大震災以降、東日本の原発が稼働しない中、西日本の原発が再稼働してきている。佐賀の玄海原発(糸島と目の鼻の先)や鹿児島の川内原発が再稼働してい…

野村誠の現在地

里村さんが仕事が休みで、お出かけしたり話したり。自分のこれまでを振り返り、今後の方向づけをするために、漠然と感じていることを少しずつ言語化している。まだまだ、なかなか言葉にならないけど、すごく前向きになっているし、やる気になっている。少し…

こころを旅する数学/星空/相撲の歴史

ダヴィッド・べシス(野村真依子訳)『こころを旅する数学』(晶文社)読了。これは、本当に面白い本だった。数学というと論理と考えられがちだけど、論理は表向きで本当は数学者は直観/直感でイメージしている、と言う。ぼくが最近、趣味として数学を始め…

35年を振り返り

高松市美術館の35周年記念コンサートを準備するにあたり、自分史35年を振り返ることになった。ぼくが鍵盤楽器を演奏し始めたのは50年前、作曲を始めたのは47年前だが、自分で企画をして作品を発表し始めたのは、35年前である。 共同作曲というテーマを見つけ…

The Music of Alexander Scriabin/目をつぶる

James M. Baker『The Music of Alexander Scriabin』(Yale University Press)読了。全部で140を超える譜例があり、スクリャービンの和音分析や構造分析がしてある本で、とても勉強になった。調性音楽のトニックードミナントの構造を使いながら、神秘和音など…

朝寝坊とちくわ/NHKの番組/瞽女の世界を旅する/琵琶の角度

今朝は、起きたら14時だった。よく寝たー。そう言えば、ぼくがよく寝ることについて、島袋道浩くんが書いてくれた文章がある。2003年のコンサート『音楽ノ未来 野村誠の世界』への寄稿文。今でもウェブで読める。良い文章なので、読み返すと励まされる。 www…

ビートルズとシタールと琵琶/さっそく録音/中野裕介

いきなり朝寝坊。歯医者の予約11:30だったのに、起きたら11:00だったーー!大慌てで歯医者行ってきたーー。 高松遠征の直前に入手した琵琶。気分としては、初めてシタールを手にしたジョージ・ハリスン。ビートルズとインド音楽の出会いのよう。琵琶を弾いて…

栗林公園/ニュースやレポート/関西鍵盤ハーモニカオーケストラ

高松市美術館でのコンサートも終わり、せっかくなので、栗林公園に行く。とても広い庭園で、池もいくつもあり、特徴的な橋も数多くあり、松を初めとする木々もあり、園内をぶらぶらと散策していると、いつまででも歩き続けられ、今日のように天気の良い日は…

ほんじつは・あーりがとう・ございました

3月3日、耳の日。高松市美術館35周年記念コンサート、生涯忘れられないコンサートとして、自分の記憶に残るものとなった。先着200名で事前申込不要だったので、何人来るか未知数だったが、開演30分前に既に長蛇の列ができて、座席を増席しても足りず立ち見…

いよいよ最後のリハーサル

高松市美術館35周年記念『野村誠コンサート 音楽の未来を作曲する 〜サヌカイト・即興・村山籌子』も、いよいよ明日。 午前中は、国分寺中学校合唱部+山田中学校合唱部、加藤綾子さんとの合同リハーサルで、《ライオンの大ぞん》。ヴァイオリンが加わること…

秋山邦晴さん「城の眼」/エントランスホールでのリハーサル/ノマド

ヴァイオリニストの加藤綾子さんと岡山で合流し、高松入り。高松市美術館の牧野裕二さんのお迎えで美術館入りと軽く打ち合わせ。 せっかくなので、加藤さんと喫茶店「城の眼」を訪れ、秋山邦晴さんのことを尋ねてみると、秋山さんの直筆の詩や店でかけるBGM…

大巻伸嗣さんや梅田哲也さんが受賞/アレンジいろいろ

文化庁の「芸術選奨文部科学大臣賞」が発表になって、大巻伸嗣さんや梅田哲也さんが受賞されていた。おめでとうございます。 今日は、「なんちゃって琵琶法師」をしながら、明日から高松遠征への準備をする。高松市美術館でのコンサート冒頭で演奏する《鍵盤…

世界のしょうない/プログラムノート/肥後琵琶/JACSHA

今日は、ミーティングの多い日だった。 「世界のしょうない音楽祭」の振り返りの会議。豊中市の小林さん、田仲さん、日本センチュリー交響楽団の本城さん、福島さん、大阪音大の井口先生、上田先生、渡邊先生、大阪音大連携支援センターの吉川さんと。10年間…

三味線の新奏法/プログラムノートを書く

三味線の駒を箸にしてみたり、マレットにしてみたりして、三味線で遊ぶ。色々、変な奏法を考えつく。三味線が上手に弾けないからこそ、こうした奏法が思いつくなぁ。楽器を触っていると、いつまででも一人遊びしてしまう。 3月3日の高松市美術館35周年記念コ…

歯医者のうた/高松市美術館35周年に向けて

歯医者に行く。歯医者さんが、何度も「あけてくださーい」、「とじてくださーい」と言うのに応じて、口を開けたり閉じたりする。この人は、年中、「あけてくださーい」と「とじてくださーい」を言い続けて、だんだん、言い方が確定してきたのだろうなぁ、と…

オハイエ音楽隊2回目

オハイエ音楽隊との2回目のワークショップ。「オハイエくまもと」のウェブサイトによると、 「オハイエくまもと」は、日頃は音楽やダンスが大好きなパフォーマー(主に知的発達障がいのある人たち)に楽器演奏や歌、踊りを練習する場を提供し、ともに楽しみ…

デリダ、ドゥルーズ、フーコーらを思い出す

昨日まで2日間高松遠征だったので、本日は、自宅にて、のんびり過ごす。 一人でランチを食べながら、YouTubeでも見るか、と思う。最近、数学を勉強しているので、学生時代のことを思い出す。学生の頃に文学部の友人らが、デリダ、ドゥルーズ、フーコーとか…

《ライオンの大ぞん》集中リハーサル/サヌカイトワークショップの準備

高松市美術館の牧野さんと山田中学校へ行く。山田中学校合唱部+国分寺中学校合唱部とのリハーサル。2時間以上、みっちり合唱曲《ライオンの大ぞん》を練習して、格段に表現力がアップしたし、作曲者の意図も伝えることができた。河田先生に指揮もお願いし…

サヌカイトとのリハーサル/会場下見@高松市美術館

高松へ移動。高松市美術館35周年記念コンサートに向けて。四国新聞に記事が出たらしい。 www.coolkagawa.jp 朝日新聞も出たらしい。 www.asahi.com 美術館の牧野裕二さんとサヌカイト奏者の臼杵美智代さんのお宅へ移動中に、うどん。高松市美術館25周年記念…

明治の音/ちょぼくれ節

内藤高『明治の音 西洋人が聴いた近代日本』(中公新書)読了。明治時代の音を、ラフカディオ・ハーンやポール・クローデルらの文章を通して体感するのは、とても面白い体験だった。夏の蝉の鳴き声も、ひょっとしたら現代の日本よりも遥かにやかましかったの…

石の意図=糸の意志

確定申告の会計仕事が牛歩のように進む中、音楽は楽しく続けている。 3月16日、熊本のアーケード街で行われるStreet Art-plexに出演する。情報が公開になった。タンバリンの田島隆くんとの共演。おそらく30年ぶり。 artplex.jp サヌカイトの奏法実験を続けて…

香港の中学生/3年先の稽古/4コマピアノ音楽史

確定申告の準備が少しずつ進んでいる。サヌカイトやピアノの研究は良い感じに続いていて、3月3日の高松市美術館のコンサートへの準備も着々と進んでいる。というか2週間後だ!いよいよだ! www.city.takamatsu.kagawa.jp 香港のCCCDからオンラインワーク…

宇陀と山鹿/肥後琵琶とアートラボマーケット/当事者は嘘をつく

里村さんの友人のヨーコさんが、全国芝居小屋会議に参加するために、奈良県の宇陀から熊本県の山鹿に来ていて、山鹿まで会いに行くというので同行した。山鹿は有名な芝居小屋の八千代座がある。 昨夜は、八千代座にOKIとかサヨコオトナラとか、色々なバンド…