野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

10年目の「世界のしょうない音楽祭」/編曲完了

2月3日の「世界のしょうない音楽祭」に向けて、舞台関係の打ち合わせを、舞台の組み方、進行、影アナ、楽屋などなど、2時間みっちり行った。大阪音大の松田先生、森さん、野添さん、大賀さん、センチュリー響の本城さん、福島さん、豊中市の田仲さん、田中…

初詣/チャッコーナ/ベースメントプロジェクト/FとI

年末年始に夫婦で体調を崩していたので初詣をしておらず、今頃になって里村さんと永尾剱神社に初詣に行く。 「世界のしょうない音楽祭」に向けて、第1部のことについて渡邊未帆先生と色々やりとりをする。西成彦さんの『クレオール事始』を読みながら、色々…

サヌカイトとゴルフボール/コントラバスのことば/英国のコミュニティ・アートとアーツカウンシル/堀澤元さんがココルームで働く理由

お借りしているサヌカイトを鳴らすのに、ゴルフボールのばちで鳴らしてみると、全然違う音色がして、新たな世界が出せそう。ワクワク。 俳優/演出家の倉品淳子さん、コントラバス奏者の近藤聖也さんと打ち合わせ。近藤聖也さんの「ことばとコントラバス」プ…

サヌカイトの音楽を作曲する

高松市美術館開館35周年記念コンサートを準備している。 開館35周年記念 野村誠コンサート『音楽の未来を作曲する〜サヌカイト/即興/村山籌子』 programme 野村誠《ライオンの 大ぞん》ー村山籌子の童話による合唱 野村誠《讃岐の磬と》(仮)ーサヌカイト…

〈音楽ならざるがゆえに真に音楽〉/保坂和志/ハリー・パーチ

今年初の遠征を終えて、熊本に戻る。 昨夏の《タリック・タンバン》初演の評(齋藤俊夫)を(今頃)読んだ。 mercuredesarts.com 「普遍」を偽る文化産業の基本的攻撃法は〈囲い込む〉という手段である。劇場に、音盤に、インターネットに、階級、国籍、人種…

ジャワ舞踊家とのランチ/はじまりはマルチニーク

佐久間新さん、イウィンさんという二人のジャワ舞踊家とランチする。お二人とお話すると、世界をインドネシアからの視点で見ることができて、視野が広がる。「問題行動マガジン」の佐久間さんのエッセイ「悩みの相談室」のようだ(誰かが悩みを相談しないと…

豊永亮さんとのデュオ

ギタリストの豊永亮さんとスタジオで創作。豊永さんとは、1990-94年にpou-fouで一緒に活動した。pou-fouは最初は即興演奏をするバンドだったが、リハーサルを続けていく中で、徐々に共同作曲になっていった。豊永さんは、ロンドンの伝説のアバンギャルドロッ…

踏歌神事/はじまりはマルチニーク

熱田神宮に、踏歌神事に立ち合う。約1時間の神事。10時からの本宮、13時からの別宮と2回とも見学した。 笛1人、歌が5人、舞が4人。衣装を整える人一人、祝詞をあげる人1人、振鼓(おべろべろ)1人、神主のような方が3人。全員、木靴を履いていて、砂…

幼児とのフィジカル音楽/踏歌神事/数学と作曲

西洋音楽の歴史に思うこと。表裏一体の不可分だった作曲と演奏という行為が、20世紀の後半に分業化し、作曲家と演奏家に分離してしまう。その結果、作曲はより観念化し、コンセプトが重要になり身体性が軽視されがちになる。コンセプトは面白くても聴取体験…

ことばとコントラバス/ウーちゃんの修論/第148回だじゃれ音楽研究会

コントラバス奏者の近藤聖也さんとの打ち合わせ。近藤さんからは、以前、コントラバスとバリトンのための新曲を委嘱していただき、CDにも収録してもらったことがあるが、次なる「コントラバス」と「言葉」をつなぐ構想について聞かせていただく。 www.youtub…

今日はとことん鍵盤ハーモニカ@いわき市立美術館

2回公演で、100名を超える方が鑑賞していただき、充実のコンサートだった。 それにしても、南川さんと共演すること、本番の前後でお話することで、本当に鍵盤ハーモニカの奥深さや可能性に気づかさせられることは大きい。それは、彼女が真摯に、この発展途…

いわき市立美術館にて

七草粥を食べることもなく、今年初の遠征に。いわき市立美術館へ。さすがに東北、寒い。 学芸員の植田玲子さん、鍵盤ハーモニカ研究家/鍵盤ハーモニカ奏者の南川朱生さん(ピアノニマス)と、会場を下見する。いわき市では、1985年から毎年、子どもの版画展…

今年のはじまりは、《はじまりはマルチニーク》/鍵盤ハーモニカの調律・調整

10年目を迎える「世界のしょうない音楽祭」(2月3日@大阪音大ミレニアムホール)に向けて新曲《はじまりはマルチニーク》を作曲していたが、本日、推敲と校正とパート譜のレイアウトをやって、微妙に変わったけど、完成。譜面を送る。 それにしても、2年前…

今日はとことん鍵盤ハーモニカ!/《はじまりはマルチニーク》一応完成

今年初のライブは、1月8日@いわき市立美術館。野村誠とピアノニマスの『今日はとことん鍵盤ハーモニカ!』というコンサート。2回公演。 www.city.iwaki.lg.jp 『鍵盤ハーモニカの本』(春秋社)の著者でもあり、鍵盤ハーモニカを深く追求されている南川…

プロト関係としてのだじゃれ音楽/ボレロとマルチニークの出会い

文化人類学の学会誌に掲載された石橋鼓太郎論文が、ネットで読めるというので、読んでみた。『だじゃれ音楽』と『つながり』に関する興味深い考察。わかりやすい「つながり」「縁」ではないが、思わぬところに繋がっていくかもしれない可能性のある「つなが…

はじまりはマルチニーク

1ヶ月後の2月3日『世界のしょうない音楽祭』に向けて、作曲をしている。今回のテーマは、「ラテン音楽」ということで、様々なラテンが入ってきているが、大阪音大の渡邉未帆先生からは、カリブ海の島マルチニークの音楽のエッセンスを教えていただいた。 …

アイヴズ、シェーンベルク、ホルスト

2024年は、アイヴズ(1874-1954)、シェーンベルク(1874-1951)、ホルスト(1874-1934)と3人の作曲家の生誕150年だ。シェーンベルクのop.19のピアノ小品の楽譜が家にあったので、弾いてみる。弾いてみると、自分の音楽とシェーンベルクの音楽は、随分と遠いのだ…

2024年

2024年になった。 石川での大震災のニュース。祈る元日だった。

大晦日

2023年の大晦日。 自宅で掃除などした。 みなさん、良いお年を。

ジョビンとラヴェルと世界のしょうない

10回目を迎える「世界のしょうない音楽祭」に向けて、新曲を作曲している。今年のテーマは「ラテン」で、ラテンというから、サンバのようなノリのよいダンスミュージックになるのだと思っていた。ところが、昨日の日記で触れたように、「ラテン」をテーマに…

ラテンをやっているはずなのに、ゆったり

「世界のしょうない音楽祭」に向けて、作曲をしている。今年のテーマは「ラテン」で3回のワークショップで「ラテンのリズム」を色々やってきた。だから、ノリノリの曲を作曲すると思い込んでいた。しかし、今書いているのは、全然違う。 本番の会場が大阪音…

モノクローム・サーカス33周年記念にゲスト出演する/作曲はスケッチ中

ダンスカンパニー「モノクローム・サーカス」を主宰する坂本公成くん、森裕子さん、小説家の飯田茂実くんと打ち合わせ。2月4日、京都府立文化芸術会館での公演にゲスト出演することにしたので、その打ち合わせ。 monochromecircus.com モノクローム・サーカ…

バリのギラッ/千住の1010人rebirthに向けて

2024年2月3日の「世界のしょうない音楽祭」に向けて、新曲の作曲に着手。過去3回のワークショップで出た素材に目を通して、色々考え始める。今年は、楽器編成が西洋よりで、 アジアの楽器:尺八、ガムラン、シタールで、 西洋楽器:ヴァイオリン、ヴィオラ…

『ラーニング/シェアリング ー共有から未来は開くか?』@鳥取県立博物館

里村さんと鳥取へ。鳥取に来るのは、2019年の鳥取銀河鉄道祭以来。鳥取県立博物館で開催中の展覧会『ラーニング/シェアリング ー共有から未来は開くか?』(赤井あずみ企画)を見に来た。 www.youtube.com リクリット・ティラヴァニ、小沢剛、高山明という…

村山亜土『母と歩く時』/世界のしょうない

村山亜土著『母と歩く時』読了。著者が、母親=村山籌子(高松出身の童話作家)を回想するエッセイ集。高松市美術館35周年記念コンサートに向けて、村山籌子の童話に基づき《ライオンの 大ぞん》を作曲したが、この度、この本を読んで、村山籌子ってこういう…

祈る夜

クリスマスイブ。 イエスの生まれたベツレヘムのことを想像しながら、ピアノで「きよしこの夜」を変奏して弾くと、ガザのことを思う。ただ、祈りとしてのピアノを弾く。 坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」も、タイトルから戦地を想像し、坂本龍一が好ま…

今年最後の公演を終えて

長津結一郎、倉品淳子、吉野さつき、遠田誠と5人で振り返りブランチをしてから豊橋を出発して、熊本に戻る。改めて、太田好泰さんがこの分野を切り開いてこられたから、今日ぼくはここにいるなぁ、と太田さんのことを思う。「新しい住まい方研究所」代表の…

みるときくの、むこうがわ

門限ズとボーイズによる公演『みるときくの、むこうがわ』(@穂の国とよはし芸術劇場PLAT)を行った。(門限ズ=演劇+ダンス+音楽+アーツマネジメントのクロスジャンルバンド、ボーイズ=身体に障害のある俳優によるトリオ) mongens.wixsite.com 視覚障…

門限ズとボーイズと

豊橋の劇場PLATにて、『みるときくの、むこうがわ』クリエーション&リハーサル中。視覚障害者と聴覚障害者を対象にした公演なので、ダンスのシーンで、声による実況が入ったり、ピアノのシーンで、音を視覚的に表現する絵楽譜を描いたりする。手話通訳が入…

みるときくの、むこうがわ

豊橋に来る。12月22日にPLATでの公演『みるときくの、むこうがわ』に向けてのクリエーション&リハーサル。九州大学の長津結一郎先生の企画。クロスジャンルバンドの「門限ズ」と障がいのある俳優トリオ「ボーイズ」によるコラボ。 到着すると、ピアノの選定…