野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

サヌカイトの音楽を作曲する

高松市美術館開館35周年記念コンサートを準備している。

 

開館35周年記念 野村誠コンサート『音楽の未来を作曲する〜サヌカイト/即興/村山籌子』

 

programme

野村誠《ライオンの 大ぞん》ー村山籌子の童話による合唱

野村誠《讃岐の磬と》(仮)ーサヌカイトのための

野村誠加藤綾子高松市美術館》ーヴァイオリンとピアノによる

 

既に村山籌子(高松出身)の童話に基づく合唱曲は作曲し、現在、地元の中学生が練習中。本日より、サヌカイトのための新曲に着手。讃岐の石の楽器として知られるサヌカイト(明治時代にドイツの岩石学者が命名)の作曲するにあたり、まずは、今回演奏していただくサヌカイト奏者の臼杵美智代さんのCDを聴く。

 

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この楽器は、宮脇磬子さんが制作したもので、今回のコンサートでも同じ楽器を使わせていただくことになる。磬石にちなんで、磬子さんという名前を名づけられた故人にまつわる文献などを読む。「石によせて」という文章が印象深い。

 

https://www.gyokusui.com/program/19kai-program.pdf

 

この文章によると、宮脇磬子さんのお父さんの長尾猛さんは、声明の専門家で仏教音楽をやるために石を音階に調律した。編磬という古代中国の石の楽器があり、韓国にも磬がある。

 

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方響という古代中国の楽器もあり、ウィキペディアによれば、遣唐使吉備真備が735年に方響を持ち帰り聖武天皇に献上したとのこと。735年と言えば、734年を思い出す。記録上最初の相撲節会は、734年7月で、しかも734年4月に畿内七道地震という大震災があった。災害を鎮めるために相撲の儀式が始まった翌年、唐から持ち帰られた石の楽器は、どのように演奏されたのだろう。そして、今、ぼくは、この石の楽器をどのように奏でるのだろう。

 

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親愛なるインドネシアの作曲家Memet Chairul Slametの石のための音楽を聴きながら、新作の構想を練る。

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パーカッショニストの土取利行さんも、サヌカイトに取り組んでおられる。

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