野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

プロト関係としてのだじゃれ音楽/ボレロとマルチニークの出会い

文化人類学の学会誌に掲載された石橋鼓太郎論文が、ネットで読めるというので、読んでみた。『だじゃれ音楽』と『つながり』に関する興味深い考察。わかりやすい「つながり」「縁」ではないが、思わぬところに繋がっていくかもしれない可能性のある「つながり」についての論考。「だじゃれ音楽」は、思いもかけないところに繋がっていき得る(それにしても、行政の人から、そんなに分かりにくいと思われるんだなぁ、と思ったけど。でも、野村さんのファンになっちゃったよ、とか、理解も示してくれているし、何より分かりにくいと言われても継続させていただいていることが素晴らしい)。そして、それが、文化人類学と「つながって」いるのだか、「つながっていない」のだか分からないけど、そういう「つながって」いなさそうな分野で発表されて、さらなる意外な「つながり」が生まれていくことを想像しながら、読んだ。論文を発表する分野も不明であることは、開拓する必要もあり、素晴らしい。

www.jstage.jst.go.jp

 

2月3日の『世界のしょうない音楽祭』に向けて、新曲《はじまりはマルチニーク》を作曲している。ワークショップで参加者のみなさんが考えたリズムを全て盛り込み、渡邉未帆さんに教えていただいたカリブ海のマルチニークの音楽のリズムを盛り込み、小林江美さんに教えていただいたバリガムランのギラッのリズムを盛り込み、田中峰彦さんに教わったインドの弁財天の音階を盛り込み、小川和代さんに教わったスペインのボレロのリズムを盛り込んだ。

 

曲の後半でボレロのリズムでインドの弁財天の音階のメロディーが登場するのだが、ボレロのリズムがマルチニーク化していくと、ノリノリになる。こうなったら1部に出演した人とか渡邉さんにも飛び入りで入ってもらって、大団円になってもいいなぁ、と作曲しながら、自宅の部屋で一人で踊りまくる。

 

スコアを一度プリントアウトして、校正したりする。最低12分(最後の繰り返しによってはもう少し長く)かかるなぁ。

 

 

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