野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

今日はとことん鍵盤ハーモニカ@いわき市立美術館

2回公演で、100名を超える方が鑑賞していただき、充実のコンサートだった。

 

それにしても、南川さんと共演すること、本番の前後でお話することで、本当に鍵盤ハーモニカの奥深さや可能性に気づかさせられることは大きい。それは、彼女が真摯に、この発展途上の楽器に取り組んでいて、日々アップデイトされているからだ。

 

そもそも、鍵盤ハーモニカはようやく専門の奏者がいる楽器と認識されるようになってきたが、ケンハモ奏者というのは、単にその楽器が上手、というだけでなく、それぞれが追求する音がある。超絶技巧のテクニシャンもいれば、パッションが溢れる表現者もいれば、軽快にリズムの渦に巻き込んでいく人もいて、それぞれの持ち味がある。もちろん、プレイヤーというのは、全方位的にオールマイティーであるが、それでも、その中でも突出している方向がある。南川さんの場合は、それは音色へのこだわりである。南川さんと共演すると、テクノやエレクトロニカのアーティストと接しているような感覚になる。鍵盤ハーモニカという楽器を音色に特化して追求するのは、かなりレアな存在だと思うし、どんなサウンドシステムで、どんな環境で、と想像が膨らむ。色々な可能性がある素晴らしいアーティストだと、改めて思った。

 

野村誠とピアノニマスの『今日はとことん鍵盤ハーモニカ』という催しを2回公演やれて、充実の一日だった。南川さんと「とことん」やるには、2時間では全然足りないので、まだまだ今後も「とことん」やっていきたいと思った。

 

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