野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

別府/香港の高校生たちとのワークショップ

草本利枝さん、岡本晃明さん、里村真理さんと打ち合わせ。別府で何かプロジェクトができないか、色々アイディアを飛びかわせる。別府の片岡祐介さんを訪ねたのは2年近くも前なのか。

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香港のCCCDの企画による高校生たちとのオンラインワークショップ。zoomだと、どうしても音がうまく伝わらないので、事前に自分達の演奏を動画で送ってもらうことになった。各自が作曲した曲を事前に聞いてみるが、ピアノを弾いている動画の譜面台に、ハローキティが描かれているノートが置いてあった。

 

そこで今日のワークショップの冒頭で、ハローキティの話をする。現在、熊本市現代美術館でサンリオ展を開催していることを告げ、里村さんも紹介し、彼女たちとハローキティの出会いについて語ってもらうと、だいたいみんな幼稚園の頃に出会ったとのことだった。香港でもキティちゃんは有名だった。

 

彼女たちの宿題にコメントして、宿題の動画を再生しながら、ぼくがピアノの生演奏で共演するセッションもやった。その後は、『瓦の音楽』、『プールの音楽会』、『ズーラシアの音楽』、『千住の1010人』の話を写真を交えながら説明し、音楽は楽器でもできるけれども、楽器じゃないと思われるものでも音楽ができることを説明する。そして、琵琶や三味線などに、「さわり」というノイズを発生される仕組みがあることも説明し、ピアノの鍵盤の上に鉛筆を置いて、鍵盤を弾くと鉛筆がカタカタとノイズを出すのを実演する。これも「さわり」。こういうノイズを排除しない考え方は、アンチ排除でインクルーシヴな発想で、そのことが1010人で音楽をすることにも繋がることも説明する。今日の宿題は、自分の楽器での演奏に、なんでもいいから身の回りで見つけた物を組み合わせた演奏の動画をとって送ること。どんなのが出てくるか、楽しみだなぁ。