野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ディディエ・ガラスの一人芝居/閉館30分前の音楽

秋に一緒に日本国内でツアーを予定しているDidier Galasとオンラインで話す。フランスのモンペリエに住んでいる演出家/俳優。10年ほど前に、彼の《ことばのはじまり》を鳥取、京都、三重、東京などで上演し、パリやマルセイユで彼と公演をしたりワークショップもした。久しぶりにディディエとのコラボレーションは楽しみ。

 

《ことばのはじまり》は、哲学を題材にした子ども向けのノンバーバルな演劇だった。今回は、フランスの哲学者アラン・バディウの戯曲による一人芝居。テーマは、植民地主義レイシズムで、今こういうことにディディエと一緒に取り組めることを本当に嬉しく思うし、大切なテーマだと思う。

 

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でも小難しいわけではなく、ユーモアも多く、仮面をつけて演じる。一人の俳優(ディディエ)と一人の音楽家(野村)だけでなるシンプルな舞台作品らしい。ディディエはコンセプトを説明するだけでなく、その場で実演しながらやってくれて、既に面白い。

 

本日は、高松市美術館の開館・閉館の音楽のうち、閉館30分前に放送する音源の編集をしていた。開館のアナウンスは、ワークショップ参加者全員で「おはようございます」、「ごゆっくり」などを言ってもらっていたが、閉館30分前には、こうした言葉がないので、違った特色を出すべく、3月3日のコンサートで《おむすび山の磬の祈り》を演奏した際、導入として加藤綾子さん、臼杵美智代さんと行なったサヌカイトの即興演奏の音源を少しトッピングすることに。違った味わいが膨らむ。