野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

陽、残、誠

柏木陽、山下残野村誠の3人によるワークショップ。目黒のパーシモンホールにて。

先週の土曜日が、柏木さんによる演劇で、翌日に、それを発展させる残さんによるダンスがあり、それを、今日、ぼくが引き継いだ。

4グループ別々の作品を提示される。どれも、なんだか不思議なパフォーマンスで、これを音楽としてどう料理するかと言われても、不思議すぎて、すぐには何だか分からない。

そこで、一つ目のグループのやっていることを、譜面にしていく作業をした。5人いたので、5パートのスコアを書いていく。ここは同時なのか、ここでの動きはフォルテなのか、ピアノなのか、「じゅんび」の言葉にアクセントはあるのか、スタッカートかレガートか、などと、まぁ、音楽用語を使って、演劇をスコアにしていく。そうすると、なんだか楽譜らしくなっていく。2分くらいの芝居をスコアにしていく作業を始めたら、1分くらいをスコアにするのに1時間以上かかってしまう。面白いのですが、さすがに、このペースでやっていたら、このグループだけで4時間使いきっちゃいそうなので、なんとか切り上げる。

ほかのグループのも楽譜にしたいところだったが、次のグループのは、楽譜にしないでやろうと思う。で、試しに「タイトル」を聞いてみる。で、それは、もともと柏木くんの日にできた作品がもとで、それを残くんが来た日にアレンジした、ということが分かる。ということで、他のグループにも、これをアレンジしてもらう。グループ1は、ミュージカル風に、グループ2は、テクノ風、グループ3は、シリアス演劇、グループ4は、コンテンポラリーダンス、という路線でアレンジをしてもらう。同じ作品なのに、別アレンジができる。どれも、違った味わいで、一つの作品に、これくらい可能性があるんだな、と思いつつ、各グループから1、2名ずつ選んだ混成メンバーで今のを演じると、一つのテーマを異種混合演劇になる。異種混合は、他の人のテンションに合わせずに、違いを違いのまま出すのが、大変。

3つ目のグループを見せてもらう。アレンジもやったので、次は、これをバックバンドとして、ソロでアドリブで加わってもらう、というのをやった。つまり、バックの6人は、決められたことをやるのに対し、それに対して、アドリブで全然違うもので加わる、というもの。ティーンエイジャー達も取り組んだし、残くん、柏木くんも取り組んだ。これは、ソリストが変わるだけで、随分違う。

4つ目のグループは、いくつかのポーズを順にとっていくので、それに合わせて、声でハーモニーをつけてもらうことに。最後は、このグループ+声に、グループ1を足した上に、アドリブのソロの人を足してやってもらった。

皆さん、おつかれさま。また、いつか。