野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

地蔵盆、ガチョーン、十和田

朝、道路からお経が聞こえてくる。ああ、地蔵盆だ。京都は町の至る所にお地蔵さんがあって、この時期に、地蔵盆が催されるが、今年はコロナ対策で地蔵盆を中止。しかし、お経はありとの連絡が回覧板であった。ご近所と交流するチャンスが、地蔵盆や町内の運動会なのだが、今年は、どちらもコロナのため中止。しかし、お経の声はとても良かったし、出て行きたい気もしたが、家の中で聞いて合掌した。そして、「四股1000」で、四股を1000回踏んだ。

 

午後、「千住の1010人 in 2020年」に向けての会議。今年の1月に書き上げた新曲「帰ってきた千住の1010人」をそのまま上演するのは、オンラインでは難しく。オンラインで人々が集い合奏するコンテンツを改めて考え直している。色々、妄想や夢はいろいろあるが、現実に落とし込むのが、なかなか簡単なようで難しい。

 

今日も、だじゃ研(だじゃれ音楽研究会)とオンラインで共演するアイディアを試してみた。とにかく、ZOOMというのが、声で会話することに特化して作られているので、声で遊ぶ内容だと、うまくいっても、楽器での合奏になると、途端にうまくいかない。みんなで「ガチョーン」と言って遊ぶと望外の効果。口笛が意外に良かったりする。少しでも、従来の楽器のアンサンブルをイメージして音楽を作ろうとすると、音が歪んだりバランスが悪くなったり途切れたりする。だから、音は歪みアンバランスで途切れ途切れになることを前提にするといい。非常にシンプルな素朴なアイディアは複雑に面白くなる。

 

リアルタイムでの合奏体験にこだわらなければ、映像編集で多重録音でいくらでも音楽を構築できる。でも、そういうアプローチの映像は、巷に溢れている。こうして、試行錯誤して、うまくいったり失敗したりする音の実験を共有する場は、なかなかない。そういうレアなプロジェクトであるからこそ、リアルタイムでの合奏にこだわってやろう、という声もあり、勇気づけられる。

 

夜は、「問題行動トリオ」のミーティング。十和田市現代美術館でのプロジェクトをどのように進めていくか、そして、トリオでのクリエーションをどのように深めていくか。そういう話をいろいろした。佐久間さんと十和田の誰が出会い、砂連尾さんと十和田の誰が出会い、野村と十和田の誰が出会う、というように、三者三様のトリオならではのアプローチをしてみたい。そもそも、十和田市現代美術館に在任中の里村さんが企画して現在に至っているので、改めて里村さんの企画意図を聞くことができたのもよかった。

 

2016年のJACSHAフォーラムのテープ起こしをしている。第1回と第4回ー第9回と2017年のものは、全てテープ起こしをしたので、残すは第2回と第3回のみ。本日は、第2回に着手。

 

第1回 相撲聞芸術の可能性(2016年11月20日

第2回 呼出しについて(2016年11月21日)

第3回 古式土俵入りについて(2016年11月21日)

第4回 JACSHA太鼓まわりについて(2016年12月6日)

第5回 JACSHA土俵祭りについて(2016年12月6日)

第6回 JACSHA今後の展望について(2016年12月6日)

第7回 相撲道と作曲道1(2016年12月11日)

第8回 相撲道と作曲道2(2016年12月11日)

第9回 相撲道と作曲道3(2016年12月11日)

 

* 岩槻と相撲と音楽 行司について(2017年10月8日)