野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

健康診断/武田力さんと会う

保健所で行われている健康診断を受けにいく。昨年度はバタバタしていて受けそびれてしまったので、2年ぶり。

 

アーティスト/民俗芸能アーカイバーの武田力さんがこの週末、家族と熊本に戻って来ておられると聞き、お宅にお邪魔する。

 

yokohama-sozokaiwai.jp

 

コロナ禍にオンラインで対談をさせていただいたことがあるが、対面でお会いするのは初めて。初対面なのだ。ぼくは、肥後琵琶のことを結構語り、そのことに対して、朽木の六斎念仏踊りの話を聞く。六斎念仏踊りを、一度見に行きたいと思った。

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震災前の熊本の雰囲気の話も聞く。古い商店などが倒壊、半壊などで、震災後に一気に高層マンションが増えてしまったそうだ。個人商店が減り、チェーン店が増えていく。そんな世界に住みたいわけではないが、資本主義という仕組みに則っていると、気がつくと、「便利でつまらない世界の消費者」になるように仕向けられている。武田力さんは、そこに違和感を抱き、資本主義によって抹殺されようとしているものに目を向ける人だと思う。

 

ぼくは、「不便でも創造的に生み出す活動者」でありたい。いい加減、資本主義を卒業しても良いはずなので、資本主義から卒業するためのアートをしていきたい。熊倉敬聡が『脱芸術/脱資本主義論 ー来るべき〈幸福学〉のために』を著してから四半世紀が経とうとしているが、脱資本主義への道はまだまだだ。

 

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それでも、イギリスのコミュニティ音楽の考え方、東南アジアで出会った多民族共存のための音楽創造、分断を無化するための『だじゃれ音楽』の実践、伝統とエンタメと権力との折り合いをつけてきた相撲に聞く『相撲聞芸術』などを経て、二項対立を回避し暴力を行使せずにパラダイムシフトする足掛かりは少しずつ作れている。

 

熊本に、ダンサーの柿崎麻莉子さんも住んでおられ、スペースも開かれていると知る。今度、訪ねてみよう。少しずつ自分にとっての熊本を描けていくといいなぁ、と思う。

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長崎次郎書店に寄ってから帰る。こだわりの選書が見られる大変素晴らしい老舗の書店であるが、6月から休業との告知。資本主義を卒業したいと改めて思う。では、どういう暮らしをして、どうやって食べていこうか?そのことを根底から考えることが、ぼくにとっての作曲だ。忙しくならないぞーー!!!

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