野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

あやしいサーカス団、問題行動トリオ

猛暑と睡眠をどう調整するかは、毎夏の課題。昨夜はぐっすり眠れた。朝の「四股1000」で汗をしっかりかき、友人たちと交流するのが日課。ここでは、体を動かすだけでなく、様々な文化交流があるので、作曲家としての自分を鍛えるための貴重な朝稽古の時間になっている。

 

いろいろ現在進行形のプロジェクトがあるが、その中にクラシック音楽の音楽家たちによるワークショップ楽団「あやしいサーカス団」がある。ピアニストの中川賢一さん、ソプラノ歌手の鵜木絵里さん、打楽器の野尻小矢佳さん、ケンハモの野村誠という4人で昨夏怒涛のワークショップをして、野村が「夏休みこどもアートサーカス」と「あやしいサーカス団」という新曲を書き下ろして演奏もした。好評につき、今年はハープの福島青衣子さん、エレクトロニクスの有馬純寿さんを加えた6人組になって、夏休みにワークショップを行うのだが、コロナの影響で全てオンラインでのワークショップ。しかし、6人組はホールに集まり、ワークショップを行う。さらには、7月に開催のコマ撮りアニメワークショップ(講師:古国府薫さん)での素材を元に古国府さんがアニメを創作し、それに「あやしいサーカス団6人組」が音をつけることになっている。本日は、その打ち合わせ。

 

クラシックの音楽家の方々が、いろいろ音で遊びたくてうずうずしていて、しかも多くの本番がなくなって合奏もしたくてうずうずしている。合奏や即興や実験をレコーディングして、アニメの音にしてしまおう、ということで、野村がそのためのたたき台を考えている。とても楽しく面白くできそう。

 

web版 こどもアートサーカス2020 | 公益財団法人としま未来文化財団

 

ということで、打ち合わせのあと、少し作曲作業。即興のためのアイディアメモを作ったり、古国府さんのアニメを見ながら昨年作曲した「あやしいサーカス団」の譜面に手を加えたり。

 

夜は、「問題行動トリオ」のオンラインミーティングで、ゆったりのんびりおしゃべりした。「問題行動トリオ」でやっていることと、「門限ズ」やっていることは、おそらく全然違う方向性なのだが、自分の中で混乱してきた部分もある。「門限ズ」は演劇、ダンス、音楽、マネジメントのクロスジャンルバンドという試みとして明確な方向性を持って始めた。一方、「問題行動トリオ」は、偶々、ノムラとジャレオとサクマの「問題行動ショー」という公演をきっかけに誕生した。そして、「問題行動マガジン」というウェブマガジンも始まった。しかし、「問題行動トリオ」とは何なのか、どういう方向性なのか、という部分が不明瞭なまま始まった。「問題行動ショー」では、敢えて作曲家に徹して、佐久間さんと砂連尾さんに踊ってもらうための新曲を作曲したのも面白かった。ジャワ舞踊だと思った佐久間さんは、先日、十和田とは、味覚での交流の試みを行った。砂連尾さんは問題行動マガジンに「ジャレオのおえかき」を連載している。「問題行動トリオ」で、ぼくは音楽家という役目からはずれて、自分なりの問題行動を試みる場と考えたい気もする。なんか、いろいろやってみたい。

 

「問題行動トリオ」では、砂連尾さんも佐久間さんも体のことに興味があるので、体のことがいっぱい出てくる。四股の話もする。JACSHAでは相撲に特化して活動しているので、また、そこでも少し混乱する。JACSHAは相撲聞芸術を探求する場。問題行動トリオは、何を探求する場なのだろう?なんとなく思うのだが、佐久間新というジャワ舞踊家の枠組みを逸脱したジャワ舞踊家が、すごく鍵を握っている気がして、彼の築き上げてきた価値観や発想を中心に据えて、それにツッコミを入れながら創作していく場になったら面白いのではないか。問題行動マガジンも、十和田のリサーチも、なんか、そんな風になっていったら面白いのかなぁ、と漠然と思った。