野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

学校という舞台

フアヒンでの濃厚な二日を終える。パトラという大女優/演出家が作った夢のような学校は、彼女が実際に作ってしまった大規模な舞台であり、彼女はそこで校長先生という役を演じている。ぼくらは、まるで映画やドラマの中にいるかのような錯覚を受け、現実とフィクションの間を行き来する。この学校が彼女の演出であり、彼女の演劇であり、ここでの校長としての振舞い自体が、彼女の芝居なのだ。彼女は、校長室に座っているのではなく、常に学内を6人乗りのゴーカートを運転して、移動している。学内で出会うと、ゴーカートに乗せてもらい、遊園地の中を案内されているような気分になる。学校は、ドラマに満ち溢れている。それらのドラマが、常にシュールに美しく演出されるように、空間がデザインされている。お礼を言って、フアヒンを後にする。

3時間以上の車での旅で、バンコクに戻る。久しぶりに現実世界に戻り、夢から覚めたような、未だ夢の中にいるような気分。これで、明日の早朝にタイの最南端のソンクラーに旅立つなんて。アナンが連れて行ってくれるところには、全部、行ってみようと、腹をくくる。

旅の合間の束の間のバンコク。マンションの8階のベランダで調理する。水道水が飲料に耐えるクオリティではないので、調理にはミネラルウォーターを使用し、野菜を洗ったり、食器を洗ったりするのには、水道水を沸かして冷まして、とっておき、そうした少ない水を活用する。都会のキャンプ生活。こうした経験は、きっと災害の時に役に立つ。キャンプや東南アジアでの暮らし。

タイがあまりにも面白いので、タイ語を勉強する意欲が高まり、タイ文字を覚える気になる。単語も、意外にインドネシア語と共通するところがあるので、覚えられそうな気がしてくる。

言語:パサ(インドネシア語で、バハサ)
夫:スゥアミー(インドネシア語で、スアミ)
女性:ストゥリー(インドネシア語で妻が、イストリ)