野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ピアノのための21の小品「福岡市美術館」

本日は、12月19日の信州国際音楽村でのあいのてさんコンサートの打ち合わせがあったので、作曲の時間が少なかったが、4曲書いた。

11 ゴシック聖堂でオルガンを聞いている踊り子 
12 福岡市展望
13 ただよへるもの
14 茨の径路

の4曲。11「ゴシック聖堂」は、子ども2人の鍵ハモとリコーダーの曲が、曲としてまとまりがあっただけに、苦労した。そのままピアノ曲にもできるが、それでは何の驚きもないし、敢えて形をくずすのも作為的。一度、子どもたちの演奏を書き起こした譜面を離れ、少し忘れた上で、何が思い出せるか。そこから書いた。12「福岡市展望」は創作過程では鍵ハモの子どものインパクトが強かったけど、リコーダーの大人が作ったフレーズも等価に入れて作曲。シンプルだけど面白い曲に。13「ただよへるもの」は、かなり渋い曲。14「茨の径」は、もとのリコーダーと鍵ハモのメロディーを生かして、かわいく変な和音をつけた。また、途中では、その和音に合わせて、演奏者自身の「茨の径」の道中を創作(アドリブ)する曲。12〜14の3曲には、楽譜の中に、言葉が色々入った。特に、14は、

とってはいけませんよ ダイアモンド リング 三角形 複雑な模様 とってはいけませんよ

という言葉自体が、詩のようで気に入っている。ということで、ワークショップ2日目までの14曲を書き終えた。あと7曲だ。