野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

音楽療法の話

その1回前の第36回は、カオル・ロビンズさんの「ノードフ=ロビンズ音楽療法について」という講習会です。
「病理からくる拘束から自由」という表現が独特で興味深い。さらに興味深いのが、
「例えば多くの子どもは、複雑なリズムをたたくことはできても、通常最も簡単とされる基本拍をたたくことができない。また自分ではリズムのアイディアやメロディーを弾いたり歌ったりできるのに、人のアイディアにはつながれず、これを反復することができない。」
という部分。複雑なのはできるが単純なのはできない、という表現が面白いし、自分でメロディーやリズムを作ってやれるけれど、人のはできない、って、作曲・即興はできるけど、他人の曲は演奏できない、ってことです。他人の曲は演奏できるけど、作曲・即興はできない、って言う人は多いのに、こっちは病理じゃないんでしょうね。
あとは、セッションで起こっていることを、行動と音楽だけで記述していくみたいです。ということは、行動に関しては観察力、音楽に関しては鑑賞力・分析力が必要になってくるわけですね。