野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

片岡さんの場合

ぼくが行ったのが第40回の講習会なのですが、第37回には片岡祐介さんがやっています。読み進むと、「先生は用意されていた楽器類を、一つ一つ試すように大変芸術的に演奏された後、先日リハーサル時に録音したご自分のピアノ演奏(逆さにした手や、腰を使って弾いたもの)を聞かせてくださった。」
とあります。片岡さんらしい面白い動きなんでしょうけど、それを文章で読むのも面白いものです。
さらに読んでいくと、
「先生はこの4月からNHKの幼児向けの“あいのて”という番組に参加されることになっており、」
と、「あいのて」の予告がされていて、そこでテーブルミュージックをみんなでやったらしい。さらに、
「先生は、耳に手を当てた時の自分にしか聞こえない音についても」
とあり、どうやら寺内大輔作曲の「耳の音楽」をやったみたいですね。多分、片岡さんは寺内くんのことを語ったのでしょうが、要約では省かれていますね。
その後、片岡さんはビデオを紹介したようで、
「子供が「おわりー!」と叫ぶと先生が「はじまりー!」と叫んで盛り返し、「キンニクマン」のリフレイン。次第に盛り上がってクライマックスをむかえ激しいリズムの合奏は、さながらジャズセッションを思わせる。」
などと、ビデオの内容まで文章になっています。素晴らしい。
その後、片岡さんはセッションの心得について語っていて、この要約をさらに要約すると、
①子どもの障害について知らないようにしている
②ほとんど子どもの真似ばかりする
③ダメだしをせず、子どもの表現を全部受け容れる
④仕切り屋と目立ち屋を半々くらい出すようにする
⑤手加減はしないで真剣に
ということらしい。
そして、最後に、「しょうぎ作曲」をやったらしい。「しょうぎ作曲」をやる前に、
「(セッションでは、キチンとしすぎて)隙がないようだと相手は入りにくいが、大雑把だと、入ってもらいやすい。そのへんのことは結構大事だ。即興でも(何を言っているかが)分かるのは、聞いたことがあるようなないような、知っていることと知らないことが混ざっているような感じだからで、それは自分の特長でもあると思う。」
と説明したそうです。片岡さんのセミナーの様子が体験できて、大変楽しい。