野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

快走老人録に行ってきました

今日は、ギャラリーNO-MAでの展覧会「快走老人録」の関連イベントで、野村誠トークがありました。

http://www.no-ma.jp/

さくら苑と至誠ホームでの共同作曲の話をしました。
↓(参考図書)この本も会場で販売してもらっています。

老人ホームに音楽がひびく?作曲家になったお年寄り

老人ホームに音楽がひびく?作曲家になったお年寄り

会場では、野村誠野村幸弘の「老人たちとの音楽」(約20分)も上映中です。展覧会は11月15日まで2ヶ月間開催しています。かなり面白いです。10月25日に近江八幡でライブをしますので、展覧会とライブの両方を一度に楽しみに来るのもいいかもしれません。

展覧会の副題は、「老イテマスマス過激ニナル」でしたが、展覧会を見て思ったのは、企画のはたよしこさんが、絵画が大好きだ、ということでした。もっと言うと、絵の持つ力、色の持つ力を信じている、ただ、その一点のみの信念で、こういう活動をしているのではないか、とぼくは思いました。しかも、そこにはメタファーとか記号としての絵画ではなく、純粋にダイレクトに絵・色にこそ宿るトンデモナイ力、その力を信じている人なんだろう、と直感しました。だから、展覧会の全体像は、そのことを語っているように感じられるのです。キュレーターであるはたさんが信じているもの、それがはっきり感じられました。だから、この展覧会自体が、一つの絵本のような印象すら受けるのです。彼女にとって展覧会を作るというのは、絵本を一つ作っているような感じがします。

逆に言うと、彼女が絵の力を信じているように、「音の持つ力」、さらに言えば、「メロディーの力」を、ぼくは信じているか、自分に問いたい、そういう気持ちになりました。

老人であるかどうか、などという企画の枠組みは、話題性とか助成金を得るとか、様々な戦略として必要な切り口だと思いますが、この展覧会は、絵画の力を信じている人がセレクトした展覧会です。そのことに、感動しました。作品をじっくり鑑賞する時間がなかったので、10月にもう一度、ゆっくり見に来ます。