野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

低音デュオ/苦海浄土によせる/たいようオルガン/アンドリーセン

本日まで公開だった「低音デュオ」のライブ動画を見る。自分が作曲した《どすこい!シュトックハウゼン》も本当に名演で何度も見たが、どの曲も素晴らしく、特に、伊左治直、夏田昌和、山本裕之という同世代の作曲家が、それぞれ渾身の作品を書いていて、それに対して、渾身の名演奏で、本日、名残惜しく動画を味わった。明日から聴けないと思うと寂しい。

 

同世代の作曲家と言えば、熊本在住の光永浩一郎さんからいただいた作品集のDVDを鑑賞。軽い気持ちで、再生してしまったが、2018年に作曲の左手のためのソナタ苦海浄土によせる》は25分の力作で、これは心して聞かねばならない作品。

 

1 海の嘆き

2 フーガ

3 海と沈黙

 

という3楽章から成るが、非常に厳しく苦しみから、浄化されるような美しさまで、この音楽のもっと深いところまで鑑賞したいと思った。「苦海浄土」を読んでから、また、この作品を聴いてみたい。

 

荒井良二さんの絵本のための新曲《たいようオルガン》は、日々、少しずつ発酵中。絵本も半分くらいまで作曲して、そろそろ海辺のシーンになる。この海は、水俣なのか、竹野なのか、島原なのか、トーキーなのか、淡路島なのだろうか?色々な海を思い出す。

 

作曲家ルイ・アンドリーセンの訃報。1939年生まれで、うちの母と同じ年。アンドリーセンとは、直接面識はない。先日、ジェフスキーも逝ってしまった。コロナの1年半の間に、大切な作曲家が次々に旅立たれて行く。