野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

メメットと「火の音楽」アナンと「指の音楽」

「アジアだじゃれ音Line音楽祭」に向けて、準備中。本日も、インドネシアのメメットと、タイのアナンと日本の各地の「だじゃ研」メンバーがリモートでクリエーションした。ジョグジャカルタの国立芸大の作曲の先生であるメメットは、「水の音楽」に取り組んだ後、「石の音楽」に長年取り組んでいた。ところが最近は、「火の音楽」に取り組んでいる。ぼくは、2004年に神戸の六甲山で行ったNature Art Camp2004で、《火の音楽会》を行い、2006年の番組「あいのて」のために《石テクノ》を片岡祐介尾引浩志と共同作曲、2009年に福岡トリエンナーレで《お湯の音楽会》、2010年に愛知トリエンナーレで《プールの音楽会》、2012年に千住で《風呂フェッショナルなコンサート》をやっているので、メメットと順序が真逆。2004年の《火の音楽会》では、手作り線香花火を50本一斉に演奏したり、キャンプファイヤーの中にマイクを入れて火の音をPAしたり、聴診器で火の中の音を聞いたりした。ピアノに点火したのも、この時が初めてだった。

 

メメットは、全く違うアプローチで火の音楽をやっている。ライターで点火する音のアンサンブル。1990年に、坂本公成くんがモノクローム・サーカスを立ち上げた最初期の頃、真っ暗闇の中で、ライターをつけたりするミニマルな表現を思い出す。メメットのは、もっとポップにリズミカルに、ライターを鳴らし、さらには、沸騰するやかんの笛が鳴る。ああ、火と言っても、こんな火の音楽もあるんだなぁ。やかんの沸騰する笛の音に、どうぞ楽器で反応して、とメメットが誘う。今日、メメットが用意したビデオ(映像の人もよかった。名前がうまく聞き取れなかった)も、完成度も高く面白く、さらにコラボに開かれた作品だった。9月12日のフェスティバルで発表が楽しみすぎる。

 

メメットは、インドネシアの東の方のパプアに近い島の民族楽器である二重笛を吹いてくれたりして、ぼくもピアノで応じて、セッションした。セッションに合わせて、アナンが不思議な体操を始めて、だじゃ研も体操を始めた。メメットの音楽に、アナンのユーモアが加わると、最強。

 

アナンと何をしようか相談すると、「ニューミュージック」というだじゃれを考えた。タイ語で指のことを「ニュー」と言うらしいので、指だけで演奏する音楽が「ニューミュージック」。実際に指だけで演奏すると、視覚的にもとても面白くzoomならではの面白さが感じられた。

 

ということで、アジアとのオンライン交流が楽しく続いている。来月は、火の音楽を効果的に見せるために、夜にやることにした。

 

その後は、里村さんと宇城リサーチ。乗馬のできるカフェに出かけたり、買い物の際にズッキーニの苗を見つけて、家庭菜園にズッキーニを加えたり。現在の家庭菜園のラインナップは、トマト、パクチー、ズッキーニ、ナス、バジル、ルッコラツルムラサキ、キュウリ、シシトウ、枝豆、ローズマリー、モロヘイヤ、ミョウガ、カボチャ、ピーマン、オクラ、ゴーヤ。

 

コノシロが安かったので(刺身用が4尾で140円ほど)、贅沢にもあげて南蛮漬け風で食べた。

 

現在作曲中の《たいようオルガン》を演奏してくださるオルガニストの石丸由佳さんの動画を見まくっている。このインタビューも、石丸さんを知る上でとても参考になった。オルガンを「一人吹奏楽」だと思ったという話。

 

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