野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

三本木小唄/アジアだじゃれ音Line音楽祭の収録/夜の美術館の問題行動トリオ

十和田市現代美術館でのクリエーション(野村のみリモート参加中)。明日、明後日の公演は、『夜の美術館の夏祭り』というタイトルで、本当は三本木ナイトという盆踊りのイベントとリンクする企画を計画していたが、三本木ナイト自体がコロナで中止になった。三本木ナイトは、例えば、数年前の企画だとこんな雰囲気。

 

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実施できない三本木ナイトで踊られるはずである「三本木小唄」という盆踊りを今朝は教わった。保存会の方がわざわざ着物を着て教えに来てくださった。踊りを教わっている間に、こちらは音源から曲を譜面に起こし、せっかくなのでケンハモの生演奏で演奏した。すると、音源のテンポより速く演奏すると、保存会の方々が大喜びして、かなりアップテンポで踊ってもらう。この踊りは、移動していく踊りで、流すというらしく、これで試しに美術館の中を三本木小唄で流していくと、入館者も驚きこちらを見て写真や動画を撮影する。

 

午後、問題行動トリオで明日の公演の打ち合わせ。午前の三本木小唄体験と昨日の美術館の展示室体験を経て、公演の流れと美術館の空間をどうマッチングさせていくかを検討。

 

15時より、9月12日に開催予定の『アジアだじゃれ音Line音楽祭』に向けて、Anant Narkkongとの撮影。アナンのニューミュージックの撮影と、バンブーフォーレストの撮影をした。バンブーフォーレストはタイの竹林のネットが弱かったため、色々大変だったが、なんとか撮影。次回、音楽を練り上げる作業を経て、音楽祭へ。

 

18時より、同じく『アジアだじゃれ音Line音楽祭』に向けて、Memet Chairul Slametのインタビュー。聞き手は、石橋鼓太郎。通訳はメメットのもとで作曲を学んだ平出さん。インタビューの中でメメットはsemangatという言葉を何度も言っていた。semangatとは、日本語にすると、頑張りとか、やる気とか、熱い気持ちとか、そんな意味だろうか。こういうコロナの状況だから、semangatの気持ちを出すために「火の

音楽」に取り組んでるとか、、、。色々、心を奮い立たせるとか、そういうこと大切なんだなぁ、と思った。心意気の人なのかも。

 

19時より、『アジアだじゃれ音Line音楽祭』に向けて、Memet Chairul Slametの《火の音楽》の撮影だが、インタビューも延びて、ぼくは十和田市現代美術館でのリハーサルに参加せねばならず、だじゃ研(だじゃれ音楽研究会)とメメットに撮影は委ねて、明日の公演のリハーサルに行く。

 

明日の開演時刻19時半に合わせて開始のリハーサルでは、明日の本番を想定して進めた。感染症対策、音響・照明、映像などテクニカルの確認、スタッフの動きの確認などなど、チェックしながら、準備。夜の美術館の展示室を移動しながらパフォーマンスが進行していく。展示室が移動すると、視覚的に全く違う異世界になるので、この変化は本当に面白い。そして、その空間の変化と同時に、それぞれの空間で全然違うパフォーマンスが行えるのも面白い。コロナ対策もあって、広い空間を移動していくので、広々とした開放感もある。そして、2年前に作曲したヴァイオリンとクラリネットとピアノの15分の《問題行動ショー》音源に合わせて、砂連尾さんと佐久間さんが踊るデュオダンスも圧巻。

 

ということで、いよいよ明日は、1年2ヶ月前に行う予定だった公演がついに実現。