野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

コロナ以降のアートマネジメント/千住の1010人 from 2020

1月31日に行うトークイベント「これでいいのか?!どうする?コロナ以降のアートマネジメント」に登壇する。これまで過去4回のイベントに登壇した人から一人ずつが参加して、今年度5回目で最終回となるトークとなる。本日は、その打ち合わせというか、お互いを知り合うための事前のミーティング。

 

このトークに参加できることは、非常に嬉しい。アーティストとアーツマネージャーを分けて考えることには、違和感がある。ぼくは、「作品」を作曲する作曲家であるが、人と音楽を創造する場や環境をつくること自体が、ぼくのメインの活動でもあり、作品だけを切り離して考えることはできない。さらには、音楽を作曲=構成することは、音と音の衝突や楽器と楽器の出会いを調整していくことであり、社会や人間関係を調整していくことも、ぼくにとっては広義の作曲である。だから、場や環境をつくること、社会や人間と関わりあうこと、そうしたことは、当然ながら、作曲であり音楽の主要なテーマとなってくるし、そうした話題を共有し問題意識を持って話し合える場だと期待するからだ。

 

打ち合わせの前に、改めて過去の動画を確認したが非常い刺激的。第1回のトーク「コロナ下で社会をどう眼差すか? 芸術文化活動の今後に向けたヒント」の動画アーカイブ、いろいろ触発される。

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この第1回からは、トヨタ自動車の布垣直昭さんが出演。この方、自分でも最近、作曲を始めたそうで、様々なポテンシャルがありそうで、1月31日が非常に楽しみ。

 

第2回のトークは、コロナでの演劇、ダンスについての会で、

www.youtube.com第2回のトークからは、日本で最初にスタッフでコロナ感染を体験した劇場ロームシアターの橋本裕介さんが出演。

 

第3回のトークは、音楽編で、

www.youtube.com第3回からは、この時も熱く語った野村誠が出演。。

 

第4回のトークは、美術編で、

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第4回からは、横浜トリエンナーレ横浜美術館の帆足亜紀さんが出演。

そして、1−4回までの司会をされた若林朋子さんが今回も進行をされる。

 

ということで、このメンバーたちと、今日は顔合わせミーティング。10日後が非常に楽しみ。

 

明日のレコーディングに向けて個人練習の後、「千住の1010人 from 2020年」の映像についての打ち合わせ。これまで「世界だじゃれ音Line音楽祭」を開催してきて、その動画アーカイブや、すでに撮影した素材なども組み合わせて、映画監督の甲斐田祐輔さんと野村でつくっていく。ぼくは主に、音素材について担当する。イベントの単なるドキュメントというよりは、その時の輝きを凝縮した動画を新たに再構成できたらと思っている。

 

夜は、だじゃ研(=だじゃれ音楽研究会)。1月24日に迫っている「世界だじゃれ音Line音楽祭day4」について、イギリスとのリモート国際交流、映像記録などについて、活発な議論を重ねたり、突然、リモートで音で遊ぶセッションになったり、だじゃれを言う人が伝染していったり。カオスに近いクリエイティブな時間。色々な個性の人に出会えるので、ぼくには居心地のいい不思議な場。冒頭にも書いたけれども、楽曲を作曲することも作曲だが、こうした場を創出することが本当に重要な作曲活動。それを考えることは、アートマネジメントであり、作曲であると思う。こうした場をどうやって続けていき、どのように展開し、イギリスの別の場とつないだり、様々な参加の仕組みを考えたり、そうしたことをやっていくのが、本当に面白い。