野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

Nadegata Instant Partyと野村誠の名づけられない「作品づくり」

城崎国際アートセンターでの2泊3日を終えて、JACSHA制作の里村さんと竹野の町のリサーチ散策して後、京都に戻る。それにしても、城崎もそうだが、竹野の海水浴場やキャンプ場など、観光客がいっぱい来ていて、新型コロナウイルス禍の4連休に、東京や大阪や神戸やいろいろなところから、人々が息抜きにやってくる。観光地の迎える側も、通常よりも配慮することが多く大変なんだろうな、と思う。

 

京都に戻り、Nadegata Instant Party、熊倉純子さん、音まちスタッフの面々とのトークの打ち合わせ。今日の打ち合わせ自体が、もう既に、めちゃくちゃ面白いトークになっていて、どんどんツッコミ合い、テンポよく核心の話が展開していく。8月5日のオンライントークが非常に楽しみ。詳細はこちら

 

アーティスト・クロストーク《オンライン》 #01 開催 | アートアクセスあだち 音まち千住の縁

 

Nadegataの中崎さんは、2003年の野村と川俣正さんのトークを聞きに来ていたようで、ぼくは、NadegataがAI Hallでドミノをしていた時に、AI HALLに砂連尾さんとの打ち合わせか何かで行って、彼らに初めて出会った。Nadegataの山城さんが山口のYCAMで働いていた時に、山城さんが住んでいた「まえまちアートセンター」に宿泊し、その障子に作品を残すように言われて、大友良英さんの4コマ漫画の横に、新曲「まえまちアートセンター」を作曲したところ、その後、中崎さんの提案で、野村作曲「まえまちアートセンター」を演奏してみる、というのをやったらしい。Nadegataの野田さんは、ぼくの天保山サントリーミュージアムでのワークショップを見学したのが出会いらしく、その後、あいちトリエンナーレでスタッフされていた時に、「プールの音楽会」を見てくださっていたようだ。ぼくは、昨年Nadegataの十和田での展示を、まぁ、なんとも形容し難い理解に苦しむ不思議な作品/活動であり、非常に興味を抱くし、もっと話を聞いてみたいと思った。今回、音まち事務局が企画して、熊倉純子さんまで登場して、いろいろ言ってくれるので楽しみ。これまでの活動を総括したり意味を考えたりするだけでなく、まだ体験したことのない未来のアートについて、面白い話ができるだろう。

 

その後、音まち事務局との打ち合わせ。「千住の1010人 in 2020年」に向けて。語っているうちに、「千住の1010人 in 2020年」が「千住の1010人 from 2020年」に成長していく、化けていくイメージが押し寄せてきた。2014年に開催した「千住の1010人」は、足立市場という特定した場所で、10月12日という特定した日付に開催された。2020年の「千住の1010人」は、1箇所だけでなく町全体で開催し空間的に広がりのある企画にしたいと思っていたが、1日限定イベントでなく時間的にも広がりのある企画になり得ると思った。inがfromになり得るのではないか。そんな言葉を考えるだけで、2021年以降にどう結びつけていくか、いろいろアイディアが生まれてくる。2度美味しい、3度美味しい、延々と味わい続ける。2013年に「千住だじゃれ音楽祭第1回定期演奏会 音まち千住の大団縁」を開催した時に、2年間のプロジェクトの集大成なのに、ここが「だじゃれ音楽」の始まりと言ってたけれども、今年の「千住の1010人 in2020年」は「リモートだじゃれ音楽」のキックオフになるから、やっぱり歴史のはじまりになりそうだ。2013年のぼくの言葉を、久しぶりに聞き返してみるか。

 

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