野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

東京新聞に記事にしていただきました!

東京新聞が、今度の土曜日に開催する「世界だじゃれ音Line音楽祭」について、記事にしてくれた。ありがたい。

 

www.tokyo-np.co.jp

この記事で触れられている自分のブログを読み返す。3月23日だから7ヶ月前。

 

5月31日に予定していた「千住の1010人 in 2020年」を、10月に延期することになった。計画通りに行えないのは、実はすごく悔しい。大変な苦労をして準備してきたスタッフ、仲間たちの気持ちを思うと、本当に残念で胸が痛くなる。でも、その苦労の成果を5月31日に実現できるには、不安材料が多すぎるので、延期の決断をした。悔しいが、話し合いの末、これが最善だと判断した。
 我々の決断は延期であって、中止ではない。我々「千住だじゃれ音楽祭」の9年間は、予想外のハプニングや無茶振りの連続で、みんなそれらを乗り越えてきたから今がある。だから、今こそ、我々のこれまで培ってきた柔軟力を発揮する場面だ。ぼくたちの企画で、計画を変更しなかったことなんてない。これまでの9年間、ぼくたちは、前向きにどんどん変更してきた。変更に対応して即興で演奏するし、変更に対応する柔軟なマネジメントをしてきた。だから、本番が5ヶ月先に延期になったことだって、前向きにとらえられるはずだ。5ヶ月準備期間が増えることで、ぼくたちの企画を、さらに面白く充実したものに変更できるチャンスだ。
 今、新型コロナウイルスとともに生きる中、ぼくたちは、アートのこと、コミュニケーションのこと、交流のこと、隔離のこと、地域のこと、世界のことなど、各自いろいろ考えている。そこには、すごい可能性があると思う。また、歴史上の様々な疫病に対して、過去の音楽がどう振る舞ってきたのかも、改めて考え直す機会にもなっている。これも、すごい可能性がある。だから、今、しっかり考えて、しっかり休んで、しっかり体力をつけて、10月の実現に向けて、もう一度、仕切り直そうと思う。2021年以降の未来にも繋がっていく波動となるような音楽のやり方、プロジェクトの組み立て方を、再検討してリベンジしよう。まずは、延期のご報告と決意表明。うん、ぼくらのやり方で成功させよう。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

当時の日記を再読する。

「千住の1010人 in 2020年」延期のお知らせ - 野村誠の作曲日記

 

今月末が〆切の新曲《Chant for Sleep》のデータを整理。今日は、曲目解説を書く作業に1日を費やしてしまった。英文で書くから大変というだけでなく、covid-19での日本での死亡者数のデータに基づいて作曲した経緯や思いについて、誤解のないようにうまく伝える方法を探すのに、時間を要した。2月14日から9月25日までの225日間を225小節にし、その間の死亡者数1539人を1539音符にした作曲。数字に基づいて作曲するけれども、それぞれの人々への追悼のレクイエムになるように、一音一音に向き合い一音一音を大切に響かせる曲にしようと格闘した。こちらのサイトで11月17日に公開される予定。

 

https://compositebythenumbers.com/

 

Asia Pacific Community Music NetwrokのディレクターのPete Moser、世界だじゃれ音Line音楽祭コーディネーターの西川Fishさんと打ち合わせ。イギリス北西部のモアカムのピートさんのお宅は何度も訪ねたことがあるが、久しぶりにパソコン越しにピートの海に面したピアノの部屋が見られて嬉しい。10月31日にAPCMNの国際会議の終わりがけに野村+西川さんが登場して、短いセッションののち、参加者に我々のZOOMに移動してもらう段取り。打ち合わせ完璧!いよいよ土曜日!!ありがとうピートさん。またモアカムに行きたいなぁ。