野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

佐久間新の問題行動に付き合う

朝メールを開くと、問題行動マガジン編集長の里村さんから、問題行動トリオでの打ち合わせ=クリエーションでの話し合いがテープ起こしされた文章が届いている。何気ない創作過程のやりとりだが、改めて読み直すと、砂連尾さん、佐久間さんと現在模索している重要な課題が浮かび上がってきて、めちゃくちゃ面白い。いずれ、問題行動マガジンでも公開される予定。

 

例によって、abema tvで大相撲を観戦しながら「四股1000」。本日が大相撲の千秋楽なので、次は9月までお預け。大相撲を聞くことで、現代音楽の直面する課題を乗り越えたハイパー現代音楽を生み出すべく、四股錯誤中。箏とコントラバスの取り組みが印象的。

 

午後は、「瓦の音楽」のリモート・ワークショップ。愛知県高浜市の「かわら美術館」に、子どもがやってきて、瓦を叩き、音楽家のやぶくみこさん、淡路島アートセンターの青木将幸さんと、ZOOMで繋がり、それが会場にプロジェクションされる。自宅でピアノを弾きながら、会場で瓦をポコポコ叩く音色と共演できると、なかなかいい。8月8日の屋根の日に予定の「瓦の音楽」コンサートは、京都と淡路島からのオンライン配信コンサートに切り替わる予定。現地に行ってのコンサートに比べて、リモート演奏は配信のためのテクニカルにクリアすべき点が多く大変だが、今日、いろいろ打ち合わせて、面白くなりそう。かわら美術館の後藤さんの熱意がすごい。

 

大相撲は、照ノ富士が優勝。

 

夕方は、「問題行動トリオ」の十和田リサーチ#2@十和田市現代美術館。現地に行けない状況で、どうやって十和田を体感できるか。ZOOMで見たり、聞いたりはできるが、匂ったり、味わったりはできない。だったら、思い切ったチャレンジで、十和田で味わっている味を、大阪にいる佐久間新さんが体感しようという試み。協力してくださるサポーターのエミコさん、サンノヘさん、サクレさんの3人が、ノリノリで食べてくださり、佐久間さんにどんな味わいかを伝えてくださる。これを見ているだけで演劇でありダンスで、面白すぎる。一つの食材を少しずつ食べて味わい、その味を1時間もかけて伝えるなんて、このディスタンスを埋め合わせようとするお互いの気持ちと、それでも埋め合わされない部分が、なんとも言えない味わい。それにしても、佐久間さんは、頑固に頑なに不器用に独自のスタイルを切り開こうとしている。安易に作品化したり映像化するのでなく、佐久間さんの訳のわからないこだわりの根っこを掘り下げるのに、とことん付き合うと、本当にわけのわからん面白いものができると思う。”ゲージュツ”の枠組みなんかから、はみ出しまくって。そういうことが、問題行動トリオになればいい。

 

その後も、里村さんと問題行動トリオについて、あーだ、こーだと話しているうちに、問題行動マガジンに投稿したくなり、「もんだいこーらす」を執筆。合唱曲の楽譜になっているつもり。これも近々、公開になる予定。

 

問題行動マガジン – mondaikodo magazine