野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

トワダノワダイ

砂連尾理と佐久間新のダンスが観たい。この二人の本気のデュオが観たい。今日は、ぼくの作曲した《十和田十景》という1〜2分のショートピース10曲に対して、10のダンスで二人が応答してくれ、同じくぼくの作曲した《問題行動ショー トワダノワダイ》という15分を超える大作にも、濃厚なダンスで二人が応答してくれた。二人のダンスのエッセンスを、とことん味わえて、大変、幸福であった。

 

十和田市現代美術館インタープレイ展での問題行動トリオのパフォーマンス《トワダノワダイ》だった。上記の2つにサンドイッチされるように、地元の方々とのトーク&セッションを入れた。安田さんとの即興ピアノ連弾も熱演だったし、そこに同時平行で安田さんの1歳半の娘さんもいい感じで乱入してきた。三本木小唄に小林さんが韓国太鼓でリズムをとるのに、ぼくがサンバ風アレンジでピアノを弾いて、小原さんがいっぱい持ってきた小物パーカッションで、会場のたくさんの人もセッションに加わり、三本木小唄普及委員会の人々も踊り出す即席カーニバル状態。柳太郎さんのギターが、非常に自由で間合いも独特で、これまた面白いセッション。佐久間さんも間を楽しむ。

 

3年前にご縁があった人々、昨年ご縁があった方々などが集まってきて、同窓会のような場だった。3年前に生まれた赤ちゃんが、3歳になって来てくれて、舞台上で歩くパフォーマンスに参加したりもした。

 

終演後、お客さんも含めて車座になって、話し合った。十和田の町の人々と少しだけれども話せて嬉しかった。本当は、もっともっと、十和田の町の人々と共犯関係になって問題行動を起こしたかった。コロナで交流は決して多くなかったけれども、それでも、こうやって語り合うこと、交わり合うことは大きな財産だと思う。十和田市現代美術館が『地域アートはどこにある?』という書籍を出してから2年が経つ。この本が出たと同時にコロナになったし、館長や学芸スタッフもメンバーが大きく入れ替わった。今回の公演は、この本に対して、十和田市現代美術館に対して、十和田のまちに対して、ぼくらなりの応答だった。

 

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駅まで美術館の担当の中川さんに車で送ってもらう。車の中でずっとシンポジウム状態。この公演を通して、美術館は何が変わったかとの問いかけで、改札をくぐらず、ぎりぎりまで立ち話。毎回の滞在で、公演の準備でバタバタで、本当はもっともっと美術館とアートの根源について語り合う時間を山盛り持つべきだったのでは、と改めて思う。しかし、作品を通して、色々な痕跡を残してくることがしたかったので、またの機会に語り合いたい。

 

新幹線は、コロナで座席を回転はご遠慮くださいと言われているので、二人ずつのペアで、前半は砂連尾さんと語り合う(その間、里村さんと佐久間さんが語り合っている)。後半は佐久間さんと語り合う(その間、砂連尾さんと里村さんが語り合っている)。

 

問題行動トリオ関連年表

 

2019年2月 だんだんたんぼと夜明かしカエル(神戸公演)

2019年3月 だんだんたんぼと夜明かしカエル(東京公演)

2019年4月 香港でのクリエーション

2019年6月 ノムラとジャレオとサクマの『問題行動ショー』(豊中公演)

2020年5月 問題行動マガジンスタート

2020年6月 カエルケチャまつり(オンラインイベント)

2021年3月 佐久間さんとのリバースアウトリーチ公演(都城オンライン公演)

2021年8月 問題行動トリオ『夜の美術館の夏祭り』(十和田公演)

2021年11月 問題行動トリオ『三本木散歩』(十和田公演)

2022年5月 問題行動トリオ『ビジュツセッシュ』(十和田公演)

2022年5月 問題行動トリオ『トワダノワダイ』(十和田公演)

 

次はいつ?どこで?

まずは、問題行動マガジンに原稿を書こう。

 

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