野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

オンラインのための「帰ってきた千住の1010人」

アーティスト・クロストーク《オンライン》#01

ひょうたんから駒が出るようなはなし ーまち、人を動かす、名づけられない「作品づくり」について

 

というオンラインイベントに出演することになった。トーク出演は、野村とアーティストコレクティヴのNadegata Instant Partyで熊倉純子さんの解説も入る。YouTubeでのライブ配信。8月5日に開催。詳細は、こちら。

 

http://aaa-senju.com/p/12975

 

「四股1000」で四股を1000回踏むことは日常化して、すっかり馴染んでいる。自分の体がどう変化しているのかいないのかは、あまり自覚はないが、1000回踏んでも疲れないので、最初の頃とは少し変わっているのかもしれない。

 

5月31日に開催するはずだった「千住の1010人 in2020年」は、10月末に延期した。東京都内での1日の新たな感染者数報告も過去最高を記録している。当初想定していた1010人の演奏者が一堂に会してのイベントの開催は10月だとしても、現実的ではないだろう。だから、(1010人のうちの何割かの人々はリアルに集れたとしても)オンラインを駆使して、1010人が(バーチャルに)一堂に会する音楽会をしたいと思っている。今は、そのための様々な試行錯誤/実験の段階。金管楽器は音が大きいから人数を少なめに想定していたのだが、逆に、自宅では大きい音が出しにくい金管楽器を、広い公園で十分にディスタンスをとって集まるとか、船の上で吹くとか考えると、本来の想定人数よりも多い金管奏者が参加できるかもしれない。

 

本日もだじゃ研(だじゃれ音楽研究会)のメンバー約20名で、野村作曲の「帰ってきた千住の1010人」をオンライン上で合奏してみた。本日、試みたのは、

 

3 空耳ソーラン

4 どの方角 その方角

5 ケロリン

 

の3曲。これらの曲は、オンラインでなければ比較的容易に合奏ができるのだが、オンライン上では、様々な困難がある。しかし、こうした曲をオンライン用にアレンジをすることが可能だ。「どの方角 その方角」の冒頭の歌などは、オンラインだからこそユニゾンの歌がヘテロフォニーの複雑な響きになって効果的だった。「ケロリン唱」は通常だと簡単に合わせられるリズムが、自然に複雑化するので、野村のピアノ伴奏をつけてやってみた。こうした工夫を入れていくことで、本来の楽曲を超えていける気がしている。

 

こうして、今年1月に作曲した「帰ってきた千住の1010人」のZOOMアレンジを考えているが、原曲に忠実すぎない大胆なアレンジが必要になると思う。先月やった「Primitive Music」で全員で茶碗鳴らしたり、本をパタパタしたりは、かなり効果的だったので、こういうオンライン合奏に適した要素をうまく盛り込んだアレンジを考えていきたい。