野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

竹川半首

宣伝!明後日と来週の日曜日に開催!

■「すみゆめの七夕」オンライン作曲ワークショップ with 野村誠

ZOOMを用いて参加者みんなで新たな楽曲をつくりましょう。

音符がわからなくても、楽器が弾けなくても大丈夫。身近なところに潜む音を引き出せるかも。

できた曲は北斎バンドにより、9月6日の演奏会で披露します。

 

7月12日(日)14:00~15:00 テーマ「北斎の描いた楽器から想像する」

7月12日(日)16:00~17:00 テーマ「七夕の星空の音楽をつくる」

7月19日(日)14:00~15:00 テーマ「相撲とカラダのリズムを奏でる」

7月19日(日)16:00~17:00 テーマ「隅田川の歌をつくる」

 

定員:各回10名(先着順)

※パソコンかスマートフォンによる音声と映像の配信ができることが参加要件となります。

※お一人一回の参加となります。参加希望日の前日までに参加申込フォームからお申し込みください。

※ワークショップ実施の様子は、一部、すみゆめWEB等で紹介します。

 

詳細・参加申し込みはコチラ↓

https://sumiyume.jp/event/tanabata2020/

 

ツイッター・オペラのプロジェクトに誘われて、新曲を作曲したので、大慌てでツイッターのアカウントを開設した。まだ使い方がわからないが、知り合いじゃなくてもフォローしたりリツイートしたりできるようなので、知り合いじゃない人で誰をフォローしようかと考えて、今年読んでいるDave Brubeckの本の著者、Phillip Clarkをフォローしてみて、彼のDave Brubeckの本に関するツイートをリツイートしてみて、ブルーベックの生誕100年なので、今年中に「Dave Brubeck100」を作曲しようと思う、と書いたら、いきなり著者からGood luck - that's something I'd be interested to hear! と返信がきて、びっくりした。

 

新型コロナウイルスの影響で、色々なイベントが延期になったりした。その代りに始まったことが色々ある。毎日、オンラインで四股を踏む「四股1000」の活動を、既に2ヶ月半も続けていて、それに伴って、今までやっていなかった過去のJACSHAフォーラムのトークのテープ起こしを次々にやっている。今日も、2017年に行った行司の木村朝之助さんとのトークを音読したし、夜には、明日に向けてテープ起こしをした。こんな機会にと、相撲に関する資料の整理をしているうちに、踏歌に辿り着き、今は熱田神宮に伝わる踏歌神事をベースに作曲をしている。

 

熱田神宮の踏歌神事は、「万春楽」、「竹川半首」、「浅花田」、「何それそれ」の4曲がある。今日、「竹川半首」を細かく分析して作曲した。これで、「万春楽」、「竹川半首」まで終わった。来週は、「浅花田」、「何それそれ」にも取り組む。神事をコピーすることが目的ではなく、神事をコピーするくらい細部まで模倣した先に、神事の表層ではなく奥から聞こえてくる隠れた歌にたどり着くことが目的。

 

その後、踏歌神事の「竹川半首」の歌詞を、動画と比べながら確認する。資料には、確かにこう書いてある。

 

たけかはの はしのはしのをつめなる

はなそのに はなそのに

われをわれをいれよやめさしそめせん

まいやめさしそめけん

 

ところが、実際に歌われているのは、最初の二行だけ。後半二行はどこへ行ったのか。様々な動画を探してみても、やっぱり最初の二行で終わっている。 

 

たけかわの 

はしの はしの をつめ なる

はなぞ のに はなぞ のに

 

そして、さらには、「花園に」と歌っていると思ったが、「はなぞ」、「のに」が完全に分断されている。これは、「花ぞ」、「野に」と歌っているのではないか?

 

踏歌神事は、熱田神宮住吉大社に残っていると言われる。熱田神宮の踏歌神事をかなり詳細に分析し続け、暗唱できるくらいまで聞き続けたし見続けたので、今まで敢えて見ていなかった住吉大社の踏歌神事の動画をネット上で探して見てみた。見比べてみると、類似点がたくさん出てくるか、と思いきや、類似点を探す方が難しい。熱田は男踏歌の流れなのだろう。舞人は男。住吉は女踏歌の流れなのだろう。舞人は女。人数はどちらも4人。歌も舞も、似たところを探す方が難しい。思った以上に全然違って、びっくりする。もし、どちらもが踏歌と言われなかったら、同じジャンルと思わなかったかもしれない。

 

住吉大社の踏歌神事は、白拍子舞と熊野舞という名称がついている。白拍子に関しては、最近、沖本幸子著「乱舞の中世 白拍子・乱拍子・猿楽」という本を読んでいて、そこでも何度も出てきたので、時代は違うけれども、今様などの歌があり、足拍子的な舞があって、踏歌とも似ているな、と思っていたが、住吉大社の踏歌神事に白拍子舞があったことが意外。

 

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