野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

オンライン作曲ワークショップ「北斎&七夕」

「すみゆめの七夕」の企画で、本日は、オンライン作曲ワークショップを開催。

 

第1回が「北斎の描いた楽器から想像する」で、第2回が「七夕の星空の音楽をつくる」。どちらも参加者から積極的に意見がでて、面白い音楽のアイディアが湧き出てきた。

 

北斎の描いた楽器から想像するでは、北斎漫画に描かれた楽器の絵を見ながら、色々語り合い、想像し合いました。木琴を演奏する人が、バチを高々と振り上げているし、これは、メロディーなどを奏でているのではなく、音階などはランダムで、ピッチのない打楽器として音を出している、という解釈。そう考えると、鍵盤は音階になっていなくて、1オクターブ内におさまる程度で似た音域の音板が並んでいると想像した。木琴は、時々、意図せずして隣の鍵盤を同時に鳴らしてしまうだろうと想像。木琴が指揮者の役割でみんなが木琴の奏でる拍を基準に演奏する。箏は、邦楽の古典の平調子で演奏。テンポは決して速くない。木琴、尺八、箏の3人でトリオになっている(三曲合奏)が、そこから少し距離を置いたところで胡弓が客観視して、そこにアドリブで音楽の不足要素を補完していく。そんな音楽を想像した。

 

一方、七夕の星空の音楽をつくるでは、白鳥座、こと座、わし座などの七夕の星を見ながら、自由に手拍子をした。人によって、手拍子の仕方が色々あって、ランダムに叩く人、パターンをつくって叩く人、人の合間に入れる人、などなど。そんな中、基本になったパターンにのせて、メロディーを作ってみた。メロディーを作るにあたって、ドレミファソラシに、適当に#をつけていくことで、変わった音階を作ってみてから、メロディーを作った。各自が、音を選んでチャットにメロディーをドレミで書き込んで、作曲ができたり、各自が、歌詞を考えてチャットに書き込んで歌詞ができたりした。タイトルを考えて、意見がなかなか合わなかった後に、「一夜のゆめ」となった。

 

来週(19日)もオンライン作曲ワークショップがあり、「相撲とカラダのリズムを奏でる」と「隅田川の歌をつくる」の2回がある。まだ申し込み受付中なので、ご興味のある方は、ぜひぜひご参加ください。

 

TOP | 隅田川 森羅万象 墨に夢 - Sumida River Sumi-Yume Art Project

 

夜は、JACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)の打ち合わせ。7月23日の豊岡アート縁日に向けて。野村と里村は京都から現地入りし、鶴見と樅山は関東からリモート参加する計画。そこで、リモート参加でワークショップでどんな役割ができるかを考えているうちに、野村は現場でマスクをして一切喋らないで、身振りだけをすることを思いついた。飛沫感染を防ぐために、野村は一切喋らない。でも、音を出したり、動いたりする。歌や言葉は、すべて、リモートで鶴見と樅山が言う、歌う。画面の向こうの飛沫はこちらに来ない。そうした感染防止の意味もあるが、その場で喋らずに身振りだけで動くのが、なかなか面白い(昔の教育番組「できるかな」のノッポさんみたいに)。ということで、アート縁日の準備で、いろいろ盛り上がる。

 

とよおかアート縁日を開催します!|豊岡市公式ウェブサイト

 

イギリスのRob GildonからツイッターオペラSet Opera Freeのために野村が書いた新曲「I am Jacsha. You are Bacsha.」のファーストテイクの動画が送られてきて、これを見て、大爆笑した。オペラ歌手の実力をまざまざと見せつけられる熱演。素晴らしく何度も見直した。こちらの意見を踏まえて、明日、最終テイクをとって、いよいよツイッターにて公開になる予定。超たのしみ!!