野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

メメットの石の音楽/2分の25曲のオペラ

「四股1000」の後、竹澤悦子さんと打ち合わせ。新作地歌《相撲もの》「初代高砂浦五郎」の作曲が終わったので、これからは竹澤さんが演奏を練り上げる。本日は、語りの台詞を検討。一ノ矢さんの原作テキストを最大限に活かしつつ、細かい言い回しをリライトして上演効果があがるようにする作業。竹澤さんは地歌箏曲家なのに、浪曲の講座とかも出たことがあるらしく、彼女の様々なノウハウが総動員されていく。すごい。台詞も彼女が一行読んだだけで、すごい説得力。これは、初演が楽しみだ。初演は、8月9日。これを公開収録してオンライン配信する予定。その場でオンライン配信できればいいのだが、会場のネット環境などを考えると、その場で収録して、あとで配信の流れになりそう。

 

その後は、25弦の新曲の作曲作業。これは、「ステイホーム踏歌」などのタイトルで考えていたが、相撲や四股と切り離して、ただただ純粋に戸島美喜夫先生の追悼の曲にしたいと思えてきて、「戸島美喜夫と‥‥」というタイトルでいこうと思う。ところが、委嘱者の山本亜美さんとやりとりを進めると、「踏歌」はコンサート全体のテーマに合うので、腑に落ちるとのこと。ということは、「踏歌 戸島美喜夫へ」ということになるかなぁ。悩み中。

 

インドネシアとの遠隔サウンドチェック、そして遠隔リハーサル。照明も入った凄いセットを組んでいて、メメットたちのやる気を感じる。「石の音楽」というプリミティブな題材を扱っているのに、非常に人工的なステージとセットで、照明をガンガンに入れてやっている。プリミティヴ一辺倒でなく、テクノロジーが大好きなメメットのバランス感覚。MCもいるし、舞台監督や照明、音響スタッフもいるので、普通にテレビ番組の生放送の撮影現場みたいな感じだ。

 

メメットのコンサートは、ZOOMで行うものだった。チケットを購入しようとしたら、既に販売〆切で買えないという人から連絡がある。続いて、ログインしようとしたけれどもログインできないという人から連絡がある。インドネシア側の運営の問題だと思われるが、イベント出演どころか、チケットの対応に追われている最中に出番になった。このブログを読みチケットを購入したのにログインできなかったという方、もしいらっしゃいましたら、野村まで連絡いただけますか?ぼくは主催者ではありませんが、申し訳ないので、そのような方のために別途、演奏するか何らかの対応をしたいと思います。オンラインイベントでも、通常のイベントと同様、受付は重要な仕事だと痛感。

 

メメットのコンサート、トラブルは多かったが、石の演奏は素晴らしかった。終了後、ツイッターに移動。Aga Serugo-Lugoが企てたツイッターオペラSet Opera Free、2分の25曲が次々にアップされた。ぼくも新曲を作曲したが、今日の投稿には間に合わなかったようで、近日中に公開とのこと。とりあえず、25曲を全部リツイートする。2分を25曲も聞くと、さすがに疲れた。時々、1曲ずつ聞くと、いろいろ工夫もあり面白い。聞いてみたい方は、とりあえず、こちらへどうぞ。

 

https://twitter.com/MakotoNomura4