京都は、かなり土砂降り。梅雨、真っ只中。七夕。本来、相撲節会は七夕に開催されていて、野見宿禰と当麻蹴速の相撲も7月7日だ。ということで、本日も相撲づくし。久しぶりの「四股1000」。鶴見幸代が昨日亡くなったモリコーネの追悼で、「続夕陽のガンマン」を鍵ハモにアレンジして演奏。ぼくは相変わらず、行司の木村朝之助さんとの3年前の対談を音読。立ち合いが呼吸が見事に合った時は、本当に気持ちいいらしいし、手をついているかいないかは、行司は上から見るので、完璧には見えないという話。でも、自分の感性を信じて、立ち合いの呼吸がよければ、ついていると信じて止めない、という話。あとは、割を割るという話。取組のことを割という。
四股が終わった後、モリコーネをいろいろ聞く。昔、ジョン・ゾーンがモリコーネをカバーしたアルバムを愛聴していた。今は手元にない。
午後は、熱田神宮の踏歌神事のビデオを見続ける。新曲の作曲のためのリサーチ。4人の舞人が3周して、それぞれ礼をする。その後、卯杖舞、扇舞がある。その間、陪従が歌っているのが踏歌。詩頭の詔文という祝詞の奏上のような時に、お面をつけた高巾子役が、デンデン太鼓のような楽器(振鼓)を振る。ということで、陪従の歌っているものを、ずっとビデオを見ながら分析していき、自分なりに理解するための楽譜を書いていく。何十回と見続けて、だんだん節回しや展開を覚えてくる。最後には、動画の笛と歌と合わせて、ピアノを弾いてみた。昨日は、ただぼんやり見ていた踏歌が、かなり解像度をあげて、細部まで見え/聞こえてくるようになってきた。こうしたものが、新曲の背骨になる。
その後、新曲「世界をしずめる 踏歌 戸島美喜夫へ」を作曲に対して、ドラマトゥルグをお願いしている里村さんと会議。本日の作曲作業を解説しつつ、卯杖舞、扇舞について、話し合う。そもそも、卯杖舞の「卯杖」とは何か、から始まる。卯杖は邪気を祓う杖。熱田神宮の踏歌神事では、踏むと言いながら、四股やネッテイ相撲のように、大地を踏みしめるような動作が見られない。住吉大社の踏歌神事では、どうなのだろう?明日は、住吉大社の踏歌神事の動画も見てみよう。
夜、竹澤悦子さんと、新曲「初代高砂浦五郎」の譜読みの確認をする。オンラインでも、三味線の音色で実際に奏でられるのを聞くと、魅力いっぱいでかなり楽しみ。竹澤さんの歌声で歌われると、引き締まる。今は譜読みの段階なので、1ヶ月後にどうなっているか、本当に楽しみ。なかなかの大作で歌いっぱなしだ。「狸囃子」の時の木ノ下裕一くんも力作テキストだったけれども、今回の一ノ矢さんも本当に力作。演奏者には負担が多いけれども、聞きごたえは十二分にある。超楽しみです。