片岡祐介 plays 野村誠「日本民謡集」が オンライン配信された。
自宅からの配信ではなく、わざわざピアノのよい会場からの無観客コンサート。
1 かわさき
2 はるこま
3 昭和音頭
4 かわさき2
5 伊勢音頭
6 黒田節
7 おてもやん
8 木曽節
9 五木の子守歌
10 こんぴらふねふね
11 やっちく
12 こきりこ節
この12曲は、もともと自分自身のために書いた譜面なので、自分以外の人に渡したのも今回が初めてで、自分以外の人が弾いたのも今回が初めて。テンポの表記も書いてなかったりするところもあるのだが、片岡さんから何一つ質問はなかったので、きっと大丈夫だろうと思ったら、本当に大丈夫どころか、素晴らしかった。彼が素晴らしい音楽家であることはもちろん知っているのだが、必要以上に甘ったるくもならないし、必要以上に無機質にもならないし、この譜面の音楽が本当に効果的にピアノで表現されている。そして、必要以上にアドリブを入れることもないが、繰り返しなどを忠実に繰り返すのではなく、微妙に非常に効果的にアドリブを入れる。この曲を演奏するピアニストとして、実に本当に最適の人物なのだと、思った。少なくとも、ぼくよりは明らかに最適。素晴らしかった。弾いてくれてありがとう。
さて、この動画の冒頭で片岡さんも言っているように、この12曲の「日本民謡集」は非常に中部地方贔屓の選曲だ。ぼくが育った名古屋で馴染みが深い郡上おどりの「かわさき」、「はるこま」、「やっちく」などが入っている。東北地方の民謡が全然入っていないのは、敢えて外しているわけではなく、もともと自分の身近な民謡ではなかったためだ。しかし、「日本民謡集 第2集」では、ぜひ、東北地方の民謡をラインナップに入れたい。
しかし、「日本民謡集 第2集」よりも先に、雅楽のピアノ曲集が先かもしれない。というのも相撲に関するリサーチをしているうちに、雅楽関係の本ばかり読んでいるからだ。雅楽の本を読んでいると、あちこちに相撲が出てくる。例えば、東儀俊美著「雅楽縹渺」のp.46を見れば、
私は若い頃一度だけだが「相撲の節会」の現代版を国技館で行なったときに出演したことがある。
とあるし、p.232には、1092年の「相撲御覧」での演目の話が書いてある。小野真龍著「雅楽のコスモロジー」のp.117には、
と出てくる。雅楽に関する本を開くと、相撲、相撲、と出てくる。おかげで、平安時代の「相撲節会」での音楽がかなりイメージできるようになってきた。ところが、気がつくと、どんな相撲だったのかが、全然見えていないことに気づく。古式土俵入りや神事相撲のような所作の源流を求めるつもりで、平安時代の節会相撲に興味を抱いたのに、当時の相撲の動きのことは、全然リサーチできていない。次なる課題はそこだなぁ。
本日は、「門限ズ」と九州大学ソーシャルアートラボとの遠隔ミーティングが行われた。6月に開催が予定されていたワークショップを当初の想定通りに開催するのは現状では難しいので、相談。面白いことになっていきそう。
その後、ハイドンの交響曲を分析して、少しだけ「ハイドン盆栽」のスケッチをした。
お知らせ
5月12日に「音楽の根っこ」オンライントーク第4回やります。ゲストは、岩淵拓郎さん(メディアピクニック)