野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ややこしい時代の教育と米ぬか

今だけの緊急お知らせです。野村誠と大田智美による昨年8月のライブ音源を、「幻のウインズカフェCD」として販売します(申し込み〆切は4月19日19時)。価格1000円だそうです。他にも購入可能なライブ音源が複数あり、いずれも1000円。詳細は、こちらをお読みください。

 

WINDS CAFE でお会いしましょう - nifty

 

本日は、門限ズのミーティング。この春、愛知大学で行う予定だった講義は、全てオンライン講義にすることが決まっており、我々のワークショップもオンラインで行うことになる。愛知大学の教授であるメイは、変則的な事態にてんやわんやの日々を過ごしていて、非常に忙しいのだそうだ。医療崩壊も懸念されるが、教育崩壊も懸念される。

 

愛知大学では、メディア芸術専攻の学生たちの授業を受け持つ。せっかくメディア芸術と名乗っているからには、様々なメディアについて考え、様々なメディアを活用していくことが大切だ。今回で言えば、通常の授業ができず、オンライン授業になる。教授陣の多くは、年齢的にも不慣れで、オンライン授業に戸惑っているだろう。一方、学生たちは、驚くべきほど早くに、オンライン授業の形に適応していくだろう。子どもの頃からスマホがあった世代の学生たちなのだから。だから、ぼくたちは学生たちから、オンライン授業の中で、どんな風に遊べるかの可能性をいっぱい教えてもらいながら、この非常事態の授業の仕方を模索していくべきだ。オンラインでのワークショップで、通常のワークショップでは簡単にできることが、いきなり難しくなるかもしれないし、通常のワークショップで難しいことが、いとも簡単に達成できる可能性もある。

 

実家に電話して母と話す。コロナで弱っていないか心配だったが、非常に元気そうな声で安心する。本当は4月12日に名古屋でコンサートがあったので、会える予定だったが、来年1月に延期になった。そのことを母に伝えると、「今、ややこしいから、いろいろ中止になるんだねぇ」と言っていた。高齢の母にとって、今の状況は「ややこしい」のだなぁと、その言葉遣いが微笑ましかった。うん、ややこしい時代を生き延びよう。

 

昨日やった「問題行動ショー」の振り返りを振り返る。「音楽の未来を作曲する」という本を書いているわりには、過去を振り返ることは多い。砂連尾さんと佐久間さんとやっていることは、非常に面白く、いろいろな状況を打破する突破口になると思っているのだが、そのことを伝える言葉を獲得できていない。だから、昨日の振り返りで、それをどこまで表現できたか、反省も多い。その反省をバネに、「問題行動マガジン」のための原稿を一本書く。砂連尾さんと佐久間さんの魅力について書く。この二人は、日本の宝だと思ってる。もっともっと大切にしていい。

 

今日から、香港のモックさんたちのパフォーマンスがあるらしく、ネット配信で見ようとして、うまく見られず。また、明日みよう。

 

隙間の時間に、ちょっとだけ何かをするのが、実は好物だ。ちょっとの積み重ねが、いつの間にか何かになったりする。トイレでちょっと本を読んだり、ちょっとストレッチをしたり、「ホルスト組曲」のアレンジを少しだけ書いたり、庭仕事したり、家のDIYを少し進めたり、部室みたいになっていた部屋を少し片付けたり、里村さんとウェブ作成の会議をしたり、ぬか床を混ぜたり、料理をしたり。こんなに家に居続けることは珍しい。毎日自炊なので、料理の腕は少しずつだけど確実にあがっている。毎日、精米機で玄米を精米して、5分づき米にしたり、3分づきにしたり、違った米のテクスチャーを楽しんでいるのだが、精米すると米ぬかが出る。米ぬかを捨てるのはもったいないので、炒め物に入れたり、味噌汁に入れたりするとコクが出て美味しい、というのが、最近の我が家のブーム。米ぬかには、いろいろな活用法があるものだ。精米されて捨てられるはずだったのに、ぬか床になったり、料理に使われたり、堆肥づくりに使われたり。米ぬかのように、世間から見捨てられてしまうようなことから、美しい音楽をつくりたい、と思う。米ぬか音楽じゃーー。