野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

リモートでトッピングした

愛知大学メディア芸術専攻の授業。本年度、リモートで何度か、対面で何度かゲスト講師をさせていただいており、本日はリモートで講師をした。クロスジャンルバンドの『門限ズ』で関わったので、愛知大学教員の吉野さつきさん、上田謙太郎さんに加えて、俳優の倉品淳子さん、ダンサーの遠田誠さんとの授業。

 

今年度の授業を踏まえて、学生たち15名が共同創作していた作品をプレゼンしてもらい、それに門限ズがアレンジをトッピングさせていくという内容。しょうぎ作曲をベースにしたダンス/演劇的なパフォーマンス。既に始まりから、とても雰囲気があり短い時間でこのような創作をした学生たち、なかなかいいのだが、こちらは、そこにアレンジを加える役割で関わっているので、オリジナルの良さを活かしつつ、その特色をより際立たせること、メリハリをつけること、異質なものをぶち込むことなど、短い時間でやってみた。そして、最後は他の学年の学生を観客として招いての本番。本番では、もはやアレンジを加えることはできないが、即興的に野村の演奏をトッピングすることで、即興的に関わることはできる。倉品さん、遠田さんも同様に、学生たちの作った作品に1演者として加わりながら、学生たちを触発していった。

 

現場での音や動きの臨場感は、リモートでは感じられない部分もあるが、想像力を働かせて、こちらも舞台上にいる感覚で共演した。これは、照明ブースや音響ブースにいる照明家や音響家の状況に近いかもしれないと思った。そうした体験ができたことも大きな収穫だった。

 

それと、しょうぎ作曲の音色がZoomで変調された音になっていて、それが面白いところもあった。シンプルに椅子を叩く音やボンゴを叩く音が、エフェクターを通したような音になっていて、こうしたエフェクトの可能性も改めて感じた。

 

ということで、リモートも対面も含めて、演奏もワークショップも含めて、2020年の本番はこれで終了。明日からは2021年1月の公演などに向けて、作曲やピアノの練習に励みます。

 

学生のみなさん、門限ズのみなさん、おつかれさまでした。