野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

今日も2セッション

大雨の都城に滞在中。午前中は、社会福祉法人ゆいま〜るにて、ワークショップ。非常に自由な二人が、手を叩いたり、楽器を鳴らしたり。キーボードを足で弾いたり、頭で弾いたり。そうした自由なノリにはついていけない感じの子が、じっとぼくを見ているので、試しに、「12 12」と声を出しながら太鼓を叩いたら、「1」に合わせて太鼓を一生懸命叩いてくれた。自由は苦手だけど、合図があればやりたかったんだと思った。彼女は、これまで他のワークショップなどでも臆して自ら踊ったり楽器をしたりすることはなかったらしく、彼女が楽器をやったり踊ったりしたことは、印象深かったことらしい。

 

午後は、障害者支援施設みどり園に行く。20名ほどの入所者の方々との音楽。キーボードで野村がしばらく即興で演奏する。途中から手拍子などで参加してくる方がいる。その後、楽器を配って、みなさんと演奏。いろいろな形で参加してこられる方々。太鼓を複数並べて、ドラムセットのようにして叩く人。ウッドブロックで太鼓を叩く人。鳥の人形で音を出して楽しむ人。床を這いつくばって移動する人。立ち上がって揺れている人。などなど。ドラムセットのように叩く人は、ちょっと特別扱いして、野村とドラムセッションもやってみた。楽しい時間だった。

 

帰り際に職員の方が、女の子を指し示し「彼女が音楽の活動の場に普段いられないんです。その彼女がこの場にいられて楽器をやっていたことが、本当に嬉しくて涙が出ました。」と言われた。普段を知らないので、いつも楽しんでいる人なんだと思っていた。野村が来たことで、その人の違った側面が見えるのであれば、幸いだ。

 

それにしても、ホールがアレンジしてくれて、こうして色々な施設に訪ねていけるのは、ありがたい。そして、こうして一緒に音楽をさせていただく機会をいただけると、こちらにとっても、音楽の勉強になる。ぼくだけでは、こんなことは実現できないので、本当に感謝。