野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

豪華メンバーでのセッション

台風4号が接近中の香港ですが、なんとか警戒レベルが8にならず、レベル3で留まっているので、本日も予定通りセッション開催。

午前中は、「點心組曲」第16楽章の「キッチンミュージック」の4回目。佐久間新、砂連尾理の二人のダンサーも加わっての豪華バージョン。皆さんのフライパンやバケツの演奏も回を重ねるごとに良くなっていて、本日は、それにピアノで共演し始めた瞬間に、曲が生まれていて、今日は一日、この曲を弾きました。

「點心組曲」第10楽章の「ボディミュージック」に取り組むダンスグループと、砂連尾さん、佐久間さんとの特別ダンスワークショップも開催。いつもは、皆さんに音楽をしてもらっていますが、今日は、野村が音楽を担当し、皆さんにはダンスに専念していただきました。普段はあまり踊らない人が魅力的なダンサーになったりするから、この二人のダンサーの引き出し方は凄いです。

i-dArtメンバーとの濃厚なランチの後、「點心組曲」第11楽章の「Afro-Brazilian Big Band」の5回目。カホンさんの安定したリズムにのっての狂乱の舞と音楽の宴。リーダーの仕切り。ピアノソファ君のピアノ。佐久間さんのダンス。新たなピアノリーダーの誕生。コール&レスポンスの自然発生。

「點心組曲」第12楽章の「Keyboard Orchestra」の3回目。3週間ぶりの開催なので、色々な面で仕切り直し感があるが、もちろん爆発ピアノ君は、毎週会っているので、最初からトップギア。佐久間さんのダンスの爆発ピアノ君が怖じ気づいたのか、背後から野村にしがみつくように抱きつきながら、ピアノの演奏を続ける。途中で、ベリーニのデタラメピアノ演奏が本当に渾身のデタラメで、それに触発されて、みんな鍵盤どころか、鍵盤が置いてあるテーブルをバカバカ叩きまくる。また、全く違う狂乱の音楽が繰り広げられる。色んな人が色んな居方でそこにいられるのが面白い。

「點心組曲」第13楽章の5回目は、台風のため施設の入所者のみの特別講義。つい先ほど、香港に到着したピアニストの松尾璃奈さんも合流し、佐久間さん、砂連尾さんの踊りも繰り広げられる。様々な打楽器のアンサンブルを経て、途中でトーンチャイムの時間を経て、アンクルンの竹の響きの時間を経て、木琴の時間を経て、泣き叫ぶ時間を経て、の濃密な即興セッションの間に、ダンスの濃密なやりとりが展開。鍼灸という概念を知らなかったら、鍼灸は治療ではなく虐待に見えるかもしれない。相手の表現を引き出すためのコミュニケーションも、一歩間違うと暴力や虐待になるが、踏み込むことで引き出せることもある。ダンサーたちが、相手の領域に介入していく行為の成果を見ると、コミュニケーションについて、非常に勉強になりました。

アバディーンでの楽しき夕食。