野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

荒井良二と野村誠の山形じゃあにぃ「かいこ趣味」

山形ビエンナーレ荒井良二野村誠の山形じゃあにぃ かいこ趣味」@かいこの杜(エコロジーガーデン)。明治時代の養蚕研究施設。大量の糸を持ち込む荒井さん。県外からのお客さんも半分。大盛況。動画と写真の撮影OKのイベントで、野村の演奏を撮影した人が再生ボタンを押してしまったのか、客席から録音された鍵ハモの音。面白いので、みんなに動画撮影(または録音)してもらい、それを一斉に再生。野村の鍵ハモ一人が、100人のサラウンドオーケストラになる。荒井さんの民謡一人が、100人の小さな荒井さんになる。色んな楽器を鳴らしまくった音は、ノイズのようで、虫の鳴き声のようで、美しい。面白い。こんなやり方あるのか、と感動。
荒井さんは、書道絵画。子、こ、が、ここ、あそこ、にぶら下げられる。ぼくは、トイピアノを弾きながら、台車にのせてもらって、犬の散歩のように、演奏しながら移動していく。
瓦琴を演奏している。観客参加で、糸をグルグルしながら、空間全体に蚕の繭をつくる。女の子が、ぼくの演奏をずっと見ている。バチを渡して、共演する。人と人の距離が、グルグルになって、近づいたり離れたりする。
台車に乗って、鍵ハモを吹く。今度は、船乗り。舟歌追分節。民謡。足踏みオルガンの足踏みを、お客さんに踏んでもらう。これも体験型。
単語帳に、子ども時代に好きだった物を書いてもらう。子どももいるから、その人にとっては、今が子ども時代。「かいこ趣味」で、「蚕」になって「懐古」する。「回顧」する。アントニオ猪木長新太の絵本、ムツゴローさんのテレビ、青いプール、たかひろくん、‥‥。荒井さんの朗読に伴奏し、伴奏にのって、荒井さんが歌い、ぼくも歌い、伴奏し、言葉が歌になり、楽器が言葉になり、絵を描かなくても、それぞれの心に絵が描かれる。たかひろくーーん。
「かいこのこ」と大合唱して、エンディング。