野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

荒井良二と野村誠の山形じゃあにぃ「村山温度」

 山形ビエンナーレ荒井良二野村誠の山形じゃあにぃ 村山温度」開催。言葉で説明不能なくらい面白い場所。もと温泉で、不思議な湯船や滑り台などがある巨大な温泉跡。なんじゃこりゃ!
そこに、足場を組みパネルを設置し、様々な楽器を持ち込み、荒井さんと野村誠の即興の時間の準備が整っている。荒井さんは、会場のあちこちに、バラの花を仕込む。バラの町、村山。
荒井さんがパネルに絵を描き始める。ぼくはパネルを演奏するところから始まり、鍵ハモも吹き、荒井さんは絵を描き、ぼくは鍵ハモを吹き、ライブが始まっていく。お風呂はよく響く。箱ムシと呼ばれる一人ずつの蒸し風呂のフタをバッタンバッタンと演奏して、太鼓だ太鼓だ、いぇい、いぇい。激しく叩いて、村山温度。「はぁーーー」となんちゃって民謡。
おもちゃのピアノも演奏して、またまた鍵ハモ、続くよ続くよ、どこまでも。そのうち、語って、歌って、「あるこども」。「伸縮自在のあるこども」と、昨日の映画、4年前の「山形じゃあにぃ」と繋がっていく。歌って、語って、素敵な時間。水を飲みたくなって、水よ、ボトルの中におさまるな。自分の枠から飛び出るんだーー、と水に向かって叫ぶ野村。1時間10分の後、休憩30分。荒井湯から野村湯へ移動し、第2試合開始。荒井さんがオルガン弾いてるので、ぼくは絵を描く。楽しいなぁ。役割交代の時間。その後、もとの役割に交代。ぼくがオルガンやって、北斎の木琴もやって、瓦もやって、太鼓でぶら下がっているバチと戯れて、そう戯れて、色々な楽器をやって、鍵ハモ吹いて。それでも続く、ぼくの人生。最後は、荒井さんの絵が完成する横で吹いていた。これで終わってもいい気がしたのに、何かが足りない。そうだ、こんなに響く空間で、みんなで歌いたい。観客の皆さんと歌う。「みんなじゃあにぃ」。声が偶然のハーモニーを生み出す。「じゃあにぃ」の「はあもにぃ」。楽しかった。沖縄からも、別府からも、見に来てくれている。嬉しいなぁ。ありがたいなぁ。汗だくなので、お風呂に入る。交流して後、山形へ戻る。今夜こそ、千代の富士追悼の原稿を書き上げる。