野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

スボウォさんとアスモロさん

こちらに滞在中の自閉症の行動療法の研究者/実践者が、本日、日本に帰って行かれた。一度、ゆっくりお食事でもと思っているうちに帰国。またの機会に。

尊敬するコンポーザー/パフォーマーのスボウォさんが我が家を訪ねてきた。昨年にスボウォさんと一緒にやったコンサートの録音を渡し、雑談をした後、インドネシア語の企画書「東南アジアにおける共同作曲の実践とドキュメンテーション ー原発以降の未来のために」を見せる。「コラボレーションの時間をつくらないとね」とスボウォさん。そして、思いついたように、「ご飯食べにいこう」と言って、半年前にできたばかりの店に連れて行ってくれる。

明日はソロで「世界ダンスの日」を一日中やる。ああ、そう言えば、夜通し続くダンスフェスティバルに、ハリヤントさんやスボウォさんと一緒に、2年前出演した。「ハリヤントは、民族音楽学科の学科長になったよ、まだなって2ヶ月。」とスボウォさん。ハリヤントさんも偉くなったものだ。「日本では、民族音楽学科って作曲しないよね。ジョグジャでは、作曲するからねー。」インドネシア人にとって、民族音楽は現在形の音楽だから、当然、作曲だってする。スボウォさんが「もうすぐアスモロが来るよ」と言う。え、いつの間に連絡してたの?と思うと、作曲家でジョグジャカルタ現代音楽祭のディレクターのアスモロさんが到着。よく考えると、2003年の6月に大阪いずみホールガムラン新作世界初演をしたのは、アスモロ、スボウォ、野村の3作品だった。あの時、まさか10年後、ジョグジャでこうしてバカ話しているなんて、思わなかった。アスモロさんにも、企画書を見せると、「インタビューはいいよ。ただ、コラボレーションは時間がかかるから、、、」とインタビューには応じてくれることに。しかし、いきなりふざけて、耳もとで小声で、「若くてかわいい女の子が、、、、」と言ったりして、とてもインタビューを始める雰囲気にはならない。こうやって親しくなった友人が集うと、かしこまったインタビューの気分にならない。アスモロさんが、「質問内容を書き出して、録音機回してやるのがいいよ。」と言う。確かに、親しいからこそ、即興的に質問しようとしても、ずっと雑談になってしまう。「質問用紙ができたら、また連絡してね」とアスモロさん。トイレに立ったのかな、と思ったスボウォさんは、いつの間にか会計をすませていて、アスモロさんに挨拶して、そのまま家まで送ってくれた。家に戻って、質問用紙を作成。夕方以降は、せっかくの日曜日なので、蚊取り線香やサンダルなど、生活必需品を購入して、日曜日らしく一日を終える。