野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

どうなるかな音楽

横浜の都筑区の小学校の先生の音楽の研修会の講師に、横浜までやって来ました。

これは、野村誠の「しょうぎ作曲」や鍵盤ハーモニカに出会い、ご自身も先生を集めて鍵盤ハーモニカの8重奏をやったりしているという先生からの熱烈なオファーがありまして、まぁ、熱心なようだし、野村誠片岡祐介著「音楽ってどうやるの」を愛読してくれているようだし、まぁ、とにかく、やって来ました。

で、約60人の先生方の多くが、この講習会のために、本を購入して、予習してきている様子。

で、ぼくも新幹線の中などで、自分の本を読んで、予習していきました。

2年程前に書いた本ですが、まず、「音楽って何だ?ー序にかえて」というところが、我ながら、なかなか力作です。音楽の定義を「発音体感」としています。音を発して、それを体感すること、と言っています。この「発音体感」という言葉は、ぼくが大学3回生だった時、ジョン・ケージ京都賞を受賞して、京都にやってきた時に、ぼくが友人たちと行ったコンサート「ケージバン」のチラシの文章の冒頭と終わりに書かれた言葉です。また、「あとがき」も非常に力作で、「違った価値観が共存する場」というキーワードから、最後には、「音楽ってどうやるの」とは、「アホになること」だ、で締めくくっています。自分で読んでも忘れていて、なるほどええこと書いてあるなぁ、なかなか名著だなぁ、と自画自賛


さてさて、講習会です。今日は、2章の「どうなるかな音楽」から「それは知らない」、「ひるがえりコンダクター」、「手拍子のロンド」、1章の「なんちゃって音楽」から「なんちゃってケチャ」と「なんちゃってビッグバンド」、そして、3章の「できちゃった音楽」の例として、いすとりゲームはしませんでしたが、一人一音ずつ言いながらメロディーを作って、「ひまわり」という歌も作りました。これが、跳躍が多いけど、なかなか良いメロディーなのです。

4章「なるほど楽器事典」に触れる時間はほとんどなかったので、鍵盤ハーモニカについてだけ、実演をして、説明したりしました。

濃密な2時間、ああ、楽しかった。小学校の先生方が、こうした実践をしてくれるのは、嬉しいなぁ。