野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

千秋楽@平盛小学校

平盛小学校でのコンサート
昨日の夜も、今日のお昼も、家庭科室で、先生たち(そして保護者の方々)がご飯を作ってくれる。
こんな手作りのコンサートに参加できるのが、うれしい。



平盛の子どもたちとは、5年前に出会った。当時1年生だった。
2年前に、再会した。4年生だった。
今年、もう一回出会った。6年生だ。
もう二度と、彼らと一緒に音楽をつくる機会は来ないだろうなぁ。
今日が最終回だ。



ぼくが大学の先生を辞めたのは、5年前。
5年前に最後の授業をした直後に、平盛小でワークショップ。
誘ったら、何人かの学生が一緒に来た。
その時の学生の顔が客席にある。



ヒューとは、濃密な1ヶ月を過ごした。
12月26日に長崎で会って以来、1ヶ月間、毎日彼と過ごしてきた。
今回、たくさん、色んなことをした。
今日が最終回だ。



6年生が作曲した曲を、プロの音楽家(野村、ヒュー、林)が演奏する。
本当に、いろんなタイプの曲が生まれていて、面白い。
でも、子どもたちと一緒に演奏ができないのが、残念だ。
ああ、もう一緒に遊ぶ時間は、帰ってこないのか。



そして、コンサートの最後の曲は、終わりを決めずにやった即興だった。
1年生は楽器に飛びついた。
ゆうこちゃんが元気よくカウントをして、即興演奏が始まる。
ところが、ゆうこちゃんは和太鼓の上で、ばちを微かに上下させながら、決して太鼓を叩こうとしない。



ぼくは、気がついたら、デタラメ語を喋りながら、6年生たちと握手をしたりしていた。
そして、抽選会のくじの箱をひっくり返して、紙の雪を降らせていた。
ああ、5年前、シュレッダーの紙をぶちまけて、1年生と過ごした時間がフィードバックしてくる。
気がつくと、ゆうこちゃんは猛烈な勢いで太鼓を叩きまくっている。
コンサートが終わっていく。


さようなら、6年生のみんな。
5年という長い時期をかけて、こんな風に関わった子どもたちと学校。
こうしてお別れするのは、寂しいけれど、みんな元気でね
ありがとう