野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

仙台でのワークショップ

仙台で、ワークショップとシンポジウムがあります。
仙台で、インクルーシブ・ダンスという概念を提唱しているみやぎダンスを中心として、企画されたワンデイ・イベントです。

ちなみに、ぼくは、この「インクルーシブ・ダンス」という言葉を聞いた時に、どちらかと言うと、好きな言葉ではありません。インクルーシブとは、英語でinclusiveで、これは、「全部含んでいる」という意味で、exclusive(排他的な)という言葉の反意語です。だから、インクルーシブ・ダンスの言う意味は、排除しないで、誰でも参加できるダンス、という意味のようです。

で、午前中のワークショップです。定員20人で参加費500円。参加者は10名ほどでした。そのうち、みやぎダンスの関係者らしい人が何人もいました。誰でも参加していいですよ、という趣旨の団体がやっているのだから、音楽に全く興味がない人も、「あいのて」のファンの子どもも、クラシックのお堅い演奏家の人も、バンドマンやジャズマンも、いろいろ集まっていて、老若男女、様々な人が集まっているだろう、と予想して、そういった状況にどう対応するかの心の準備はしていました。ところが、実際には、かなり身内的なメンバー構成で、これはこれで、とても親密な感じで楽しかったですが、心の準備は裏切られました。

ワークショップやったこと

●最初に、仙台在住のピアニスト稲垣達也さんと、即興のデュオ
●次に、開始早々にアンケートをじっと見ている人がいて、それが面白かったので、開始早々にみんなでアンケートを書きました。最初にアンケートをやると、まだワークショップが始まってないので、分からない。そのうち、紙の音楽になって、いろんなことが起こった。
●コードにまだつながれていないマイクがあったので、一人ずつにマイクを向けてみました。マイクを向けられると、人は何かを喋りたくなるもので、それぞれが変な声を出したり、何かを言ったり。一人ずつのキャラが違った風に見えてきた。
●ペットボトルを40本、段ボール箱に入れて送っていたので、それを使おうと思った。でも、箱をすぐに開けるのももったいないなぁ、と思って、開けずにそのまま回したら、中にうさぎが入ってるとか、お相撲さんが入っているとか、色んなものが入っていたり、箱そのものを振って音を出したり、叩いたり、それだけで面白かった。
●ペットボトルを出して、演奏。これは、楽しい。
●そこに、小物のパーカッションなども出してみた。みんな色々演奏
●メンバーに雅楽の笙を吹く人がいた。さっきからキーボードを弾きまくっている人と、笙とキーボードのデュオ即興をやってもらった。これが大変よかった。
●ギタリストの小関さんが遅れてやってきたので、ピアノの大好きな人と、デュオの即興をやってもらった。
●こうやってデュオなどをやると、一人ずつにフォーカスがあたって、色んな人のキャラが見えた。まだキャラが良く分からないけど、どうもダンスが得意らしい人がいて、この人にもフォーカスをあててみたらどうなるだろうと思い、あとでソロダンスを踊ってもらってもいいですか、とこっそり打診すると、「ちょっとだけだよ」と了承を得る。楽器は、ギター、ピアノ、鍵盤ハーモニカのどれで音楽がいい?と聞いたら、鍵盤と答えが返ってきた。
●砂連尾さんのダンスワークショップに合流して演奏
●最後に、先ほどのダンスソロの彼のダンスに合わせて、ぼくは鍵ハモを演奏。予想以上に緊張感高い素晴らしいダンスだった。

ということで、午前中のワークショップは大変楽しかった。もう、シンポジウムやらないで帰ってもいいや、と思いましたが、午後はシンポジウム。

シンポジウムの感想は、後日、日記に書きますね。