野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

都城にやって来ました

高速バスで、宮崎県の都城市にやって来ました。3年前から、エイブルアート・オンステージの実行委員をしていて、せっかくなので、エイブルアート・オンステージに参加している団体の公演は、スケジュールが許す限り、見に行くようにしています。

劇団こふく劇場プロデュース公演#12みやざき◎まあるい劇場「隣の町」作・演出 永山智行

というのを見るために来ました。

まず、驚いたことが、開演後、どんどん遅れてお客さんが到着することです。ものすごい遅刻率で、やはり日本の中では、相当南国です。土曜日の19時開演で、しかも、周りは渋滞も全くないところだし、遅刻しそうにないのに、みんなが遅れてくる。開演を押したにも関わらず、開演後の30分間は、ほとんど集中して見ることもできないくらいの遅れて来る人々。しかも、遅れて来た人が、遠慮せずにドカドカ入って来る。あとで聞いたところ、宮崎の人は、開演前に着いて待つのが嫌だから、遅れて来るという説もありました。のんびりなんだか、せっかちなんだか、分からないけど、独特です。

上演されていたのは、手作りで丁寧に作られている美しいお芝居でした。演劇に慣れている人と初舞台の人とが良い具合に共存していて、誰かが誰かのサポートをしていることもなく、心地よく見ることができました。

打ち上げの席でも、そこにいる人々の関係がとても良く、ピラミッド構造のようなものはなくって、居心地の良いものでした。そして、やはり、宮崎独特ののんびりした時間が流れていて、メンバーが集まるのにも、注文をとるのにも、乾杯にたどりつくまでにも、すごく時間がかかっているのですが、無理して急ぐ必要を誰も感じていないのです。そして、みんなが幸せなのです。

この宮崎の人々は、のんびりと着実に、自分達の演劇を育んでいくことでしょう。ぼくは、それを応援しています。それと、こののんびりした雰囲気をもらって、明日5週間ぶりに京都に戻れるのが、うれしいです。