野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

期待しています

京都芸術センターで、「動物の演劇」のリハーサル。今日からはいよいよ公演会場でのリハーサル。本番のセッティングに近い状況になってきました。今日からは、15時半〜22時の長丁場の稽古です。

で、今日は、かなり積極的に振付に食い込んでいった感じです。「ドゥクラングール」を数回通した後、残くんが次のシーンに行こうとしたのを制して、「もう1回やろう」と提案し、「今度は、残くんも一緒に入って踊ってくれ」と要求しました。何かテンションが足りない。エネルギーが欲しい。それで、頼んだところ、「走るだけなら」と言って、残くんも加わってやってみました。パワー倍増で、やる気が出ました。残くんはヘトヘトで「こんなにしんどかったんかー」と息を切らせていました。

「オランウータン」では、寺田さんと残くんのやりとりをもっと掘り下げようと、突っ込んでみたり。いろいろ面白い議論があり、夕食休憩中には、残くんが智美ちゃんにも質問。智美ちゃんは、自分は寺田さんに近いと思う、いかに自分の身体をコントロールして、目指す完成形に近づけていくかという作業があると同時に、しかし、これ以上足を高く上げたらバランスを崩すポイントを知っているから、絶対それ以上は高く足をあげないか、それともバランスを崩してもそれ以上に高く足をあげてしまうか、というようなことを、語ってくれました。三振してもいいからフルスイングする必要がある時もあるし、ボールを蹴れる体勢ができていなくても、一か八かでシュートを打ちに行かなければ得点は取れないのです。

ニホンザル」では、ピアノを弾きながら奇声を発してみました。ダンサーに対するぼくなりの応援歌です。ダンスが映えるように音楽を付けることは、しばらくはする気がありません。しばらく稽古中では、ダンスを撹乱すること、音楽にダンスが負けてしまうかもしれないくらいの音を出すこと、を意識的にやっていきたい。そうすれば、もっと強度を持ったダンスが生まれてくるかもしれないから。期待していますよ。