野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

指揮者が登場

碧水ホールのワークショップ2日目。またまた、みんな楽しそうに楽器を鳴らしまくって始まりました。このまま放置しておいても、みんな十分楽しそうですし、いっぱい面白い発見があるのですが、昨日とは違ったアプローチをしてみたかったので、今日は、どうしようと相談を持ちかけました。

タクミ(7歳)、もっちゃん(6歳)が、グループで活動することを推奨し、おんくん(5歳)はグループじゃないことを主張しました。そこで、グループじゃないのは後でやることにして、グループを先にすることにしました。グループ分けを相談すると、5人ずつ(タクミ)、6人(おんくん)など意見が出て、そこに、おんくんが「同じ楽器に4人」と言いました。同じ楽器に4人だと、どうして6人組ができるのか分かりませんが、この意見にのってみました。

「みんな好きな楽器のところに行って!」と言うと、木琴系の楽器に数人、鍋っぽい楽器に数人、太鼓が二人、というように、同属楽器でグループ分けできます。6つくらいのグループになったので、それをさらに合体させると、6人くらいのグループが3つできました。タクミの提案で、「後で音楽の見せ合いっこをしよう」ということで、グループ活動。

20分ほどして発表しようと思ったら、タクミのグループが、「まだ」とのことで、10分延長しました。ところが、タクミのグループができた途端、即、見せ合いっこすることになりました。

発表の順番を、タクミが決めます。ぼくのグループのところに来て「不安ですか?」と聞くので、「不安です」と答えたら、「じゃあ、最後」と決められました。木琴チームのところにタクミが行って、「不安ですか?」と聞くと「全然」と答えたら、「じゃあ、最初」となりました。

木琴チームは、4方を楽器に囲まれた狭いエリアに6人が入って、演奏しながら回転する曲です。スピード感のあるところと、超スローなところがあります。途中で、おんくん他、観客のはずの子ども達が演奏に加わって、面白さが増しました。演奏が終わると、タクミが「判定します。判定は、星二つです。」

続いて、タクミやもっちゃんやおんくんのいるグループ。太鼓と鉄琴系の楽器。自分で「判定は、星二つ」とのこと。

最後に、ぼくやタクミのお母さんがいるグループ。ボナンやクノンを一列に並べた曲。判定は?「ビミョー」どうして、と問いただすと、「音がうるさすぎます」。そこで、もう1回、今度はマイルドな音で演奏。判定は?今度は、星二つかと思ったら、「星一つ」。お母さんのグループには、厳しいのでしょうか。

休憩の後は、中川真さん、アナン、スボウォを紹介し、せっかくなので、3人で即興演奏を披露してもらいました。3人とも素晴らしい演奏をしているのですが、子どもたちが「あそこは、あんな声出さなくてもいいかな」とか、勝手に批評を始めて、途中でちょっかいを出しにいきました。そこで、途中から、だんだんみんなも即興演奏に加わって、ついには、全員でのセッションです。「さあ、トーマス」状態です。かなりグルーブします。そんな中、タケオくんが指揮を始めました。指揮をして、全体を静かにさせて、フェイドアウトで終わるのかと思ったら、自分のソロを始めたり・・・。ちゃっかりしたタケオくんです。

その後、タケオくんがタクミに指揮をさせようとしたり、加奈ちゃんともっちゃんとタクミが、ボールを投げる仕草をするのが指揮になったりしました。

「なんもない」をタイ語で「マイミー」ジャワ語で「ハンムラー」。この3つを、正木ちゃんに「なんちゃって片岡」で太鼓を演奏してもらい、そこからできたリズムで歌を作ろうとしたら、歌というより、このリズムに基づく曲になりました。

最後に、昨日のおさらいで、「だるまさんが転んだ」方式ガムラン演奏をやりました。

このワークショップメンバーの即興力がすごく高まっています。明日は、さらにすごいことになりそうです。