野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

お絵かきボサ+たわしアンビエント

今日もNHKで「あいのて」の曲作り+内容づくり

今日は、青木裕幸さんがディレクターを担当する#9、#10の2回分。青木さんはこれまで「ワニバレエ」と#3の「ピンポン」の回を担当。映画にも詳しい人で、美大出身でもあり、とにかくビジュアルにいい絵を作っていこう、という方です。

ですから、#3、#4の「ピンポン」か「カラダ」かどちらを選ぶか、という時も、はっきり「ピンポン」がやりたい、と選んでいました。ピンポン球400個の落下シーンを作ったり、また、子ども番組なのに、床に置けるもう少し小さい大太鼓もあったのに、ビジュアル重視で、床に置けない超大型の大太鼓を使うことにして、エイちゃんが叩けずに、「エイもやりたい!」と回りを走り回ることになりました。

青木さんとやる回は、青木さんと音楽をやりながら、絵を作っていく感覚です。そんな青木さんが#9の「お絵かき」を担当ということで、今日は楽しみでした。

すると、青木さんは、こちらが知らないような色んな画材を持って来ていました。紙だけでも、ザラザラした紙、すべすべの紙、色々です。6Bの鉛筆と2Hの鉛筆では、硬さが全く違うので、音も全然違います。それに、パステルとか、色々、触ったことのないようなものも色々。一通りお絵かきして、音を試しまくりました。

それから、片岡さんが、お絵かきでも、倍音を変化させるフィルター奏法を発見。描くという行為だけで、これだけ音色の差が出るのが楽しいのと、そうやって出てくる絵が、本当に美しいのです。次々に描かれる美しい絵をどうやって見せていくかも、今回の番組の楽しみどころです。結局、片岡さんがボサノバ風の曲を弾き始め、ボサノバの曲ができました。

問題は、#10です。こちらは、当初、「トライアングル」か「カスタネット」でいこうと思っていました。どこの園にでもある楽器を、全く違う使い方できたら、いいかな、と思って。ところで、先日、打ち合わせをしている時に、まだトライアングルを出すのは早いんじゃないかな、ちょっと安全すぎるし、もうちょっと冒険してみよう、という話になりました。2学期の半ばごろに、一発、ちょっと冒険してみよう、そう考えたところ、尾引さんが、「ベランダ音楽祭」をやりたい、と提案してきました。これは、以前1学期にやる予定だったのですが、色々な事情で先送りされたものです。で、ベランダで尾引さんは考え始めたのですが、NHKの人と相談していく中、「ふとん叩きおばさん」の件もあるし、最近はふとんを叩くとダニが出てくるので、ふとんは叩かないのがトレンド、ぜんそくの子どもには大変など、いろいろな話が出てきて、ベランダはボツになりました。そこで、ベランダは布団や洗濯物を干す、ということで、洗濯物に移行して、今日は、逆に洗濯板や金ダライ、たわしなどを用意してもらって、洗うことに重点を置いてやることになりました。

そして、散々、いろいろやった結果、たわしは、タライやバケツを無視して、何と段ボールをゴシゴシ。これが、すごく良かったので、#10は段ボールとたわしの回になります。たわしもフィルター奏法ができますよー。今までの中で、一番ノイズとか音響系に近い。でも、番組の最後で演奏する曲がノイズだと、捻りがないので、最後は癒し系アンビエントになりました。

今日からは、たわしと仲良くなろうと思い、たわしを持ち帰りました。これから毎日、何でもゴシゴシして、たわしの達人を目指します。

今日は#9、#10の内容を考えていたのですが、それ以外の新しいネタも思いつくので、#12、#13、#14のテーマも決まってしまい、#19の曲もちょっとできてきたりしました。

ちなみに、明日はマザーアースで野村誠の作曲レクチャーです。皆さん、是非来て下さい。

http://www.mother-earth-publishing.com/jp/on_and_on/

教育音楽の原稿、書かなければいけませんが、今日も疲れたので寝ます。でも、「ペットボトル」で明日の夜こそ書こうと思います。